重点普及成果

トマト、キュウリ、パプリカの生育・収量予測技術の機能拡張と普及拡大

本技術開発の背景

施設園芸作物の生産では環境条件と生育、収量および品質との紐づけができていないことから、収量(生産性)や品質を向上させるための環境制御や栽培管理方法の意思決定は、生産者の経験と勘に支えられています。生育を「見える化」し、トマトの収量を予測するツールが開発されると、大幅な生産性向上が期待されますが、多様な生産場面に適用するためには、様々な品目や品種への対応や高品質生産への対応などが必要になります。そこで、収量予測ソフトウェア「NARO生育収量予測ツール」の対応品目や品種を拡張するとともに、トマトの品質予測機能を加えました。

技術概要

  • 環境データと生育データから収量を予測する技術については、対象品目をトマト、キュウリ、パプリカ3品目とし、対応品種も大幅に拡大しました(計55品種: トマト18,キュウリ20,パプリカ17)。
  • 収量予測機能に加え、栽培条件によるトマト品質の予測機能と、設定した目標品質を達成するための栽培条件を提示する技術を開発しました。
  • 生育・収量予測APIと品質予測のAPI間の連携により、高品質かつ安定的・計画的な生産が可能となります。
  • 生産法人において生育・収量予測技術導入を実証した結果、導入前に比べて大幅な収穫量増加がみられました。品質予測・制御技術についても高単価で取引される糖度8°前後のトマトの安定生産を可能にしました。
  • これらのツールについて標準作業手順書(SOP)をとりまとめました。

技術に関する問い合わせ先

農研機構 野菜花き研究部門 研究推進部 研究推進室

参考情報

普及成果情報

標準作業手順書(SOP)