生産履歴システムのための農業機械車載PC 用農薬散布支援拡張機能

要約

対象病害虫、散布方法等の条件を入力すると、過去の農薬使用履歴を照会して、使用農薬の適切な使用倍率・量を提示する。また、農業機械(農薬散布機)の車載PCからCAN通信によって、農薬散布時の使用倍率を制御できる。

  • キーワード:生産履歴、電子化、農薬散布
  • 担当:北海道農研・生産支援システム研究北海道サブチーム
  • 代表連絡先:電話011-857-9260
  • 区分:北海道農業・水田・園芸作、共通基盤・情報研究
  • 分類:技術・参考

背景・ねらい

これまでに、生産資材、生産履歴を効率的に管理する「生産資材、生産履歴マネージメントシステム」(以下、「生産履歴システム」とする)の開発、改良を行ってきた(平成19年度、20年度成果情報)。現在、北海道内の8つのJA(生産者合計約6,000戸)および福岡県内の産直組合にてシステムが稼働している。これまでのシステムでは、農薬の使用基準を提示し、もし使用方法に誤りがあれば警告を発するなどして、農薬の誤使用による食品事故を防止してきた。
本成果では、農薬使用基準の錯誤や機械操作の過誤を監視し、農薬誤使用によるリスクのさらなる低減を図る。

成果の内容・特徴

  • 「生産履歴システム」利用者に対して、ネットワークに接続された環境においてトラクタ等の車載PC上で使用可能農薬を検索できる機能を提供する。利用者が、対象病害虫、散布方法などの検索条件を入力すると、農薬の登録情報および過去の農薬使用履歴を照会し、使用可能な農薬の情報をウェブブラウザ上で提示する。
  • 利用者が使用予定農薬を入力すると、過去の農薬使用履歴を参照し、使用の可否を判定する。また、対象病害虫などの条件をウェブブラウザ上で入力することで、自動的にサーバ上のデータを照会し、適切な使用倍率・量を提示する(図1A)。
  • CAN(Controller Area Network, 車載ネットワーク)による制御が可能な農薬散布機に対して、農薬散布の制御命令を送受信できる。制御命令は、トラクタキャビン内に設置されたPCのシリアルポート(RS-232C)に接続したシリアルCANコンバータを介して行われる。また、アプリケーション上で、農薬使用倍率を設定し、散布開始、散布停止の操作が可能である(図1B)。
  • 農薬散布機のPCは、農薬散布と同時にネットワークを介して「生産履歴システム」に直接農薬使用履歴を記帳することができる。
  • 農薬データは、(社)日本植物防疫協会JPP-NETのデータベースを用いているため、常に最新の農薬情報を参照することができる。

成果の活用面・留意点

  • 本アプリケーションは、「生産履歴システム」の拡張機能であるため、利用に当たっては「生産履歴システム」の導入が必要である。
  • 本アプリケーションによる農薬使用倍率の制御は、CAN通信により希釈倍率を制御できる農薬散布機の使用を前提としている。
  • (社)日本植物防疫協会JPP-NETとは別途契約が必要である。

具体的データ

図1 生産履歴システムと農業機械の車載PCとの連携

その他

  • 研究課題名:生産・流通IT化のための農業技術体系データベース及び
  • 意思決定支援システムの開発
  • 中課題整理番号:222b
  • 予算区分:基盤
  • 研究期間:2006~2010年度
  • 研究担当者:伊藤淳士、喜多孝一、村上則幸