がん予防成分を多量に含むカンキツ品種
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要約
カンキツ類からがん予防成分を多く含む次の品種を選び出した。β-クリプトキサンチンはウンシュウミカン,オーラプテンはイーチャンレモン,ノビレチンはキング,リモノイドはユーレカレモンが高含有品種,がん細胞増殖抑制活性とHL-60細胞分化誘導活性についてはキングが高活性品種であった。
- 担当:果樹試験場・カンキツ部・品質化学研究室
- 代表連絡先:0543-69-7111
- 部会名:食品
- 専門:流通利用
- 対象:果樹類
- 分類:指導
背景
カンキツ類は、従来の疫学的研究によってがん予防に役立つ食品の一つにリストアップされている。しかし,どの成分が実際に役立っているかについては十分に解明されていない.生研機構基礎研究推進事業「カンキツによるがん予防に関する基礎的研究」で、各種の動物実験に基づき,がん予防に役立つ機能性成分としてβ-クリプトキサンチン,オーラプテン,ノビレチンを新たに見出して報告した.ここでは、これら3成分に加え、リモノイド,がん細胞の増殖を抑制する活性、及び白血病細胞(HL-60)の分化を誘導する活性のそれぞれについて,高含有・高活性のカンキツ品種を明らかにする。
成果の内容・特徴
- β-クリプトキサンチン:ミカン区の品種に多く、ウンシュウミカン、ポンカンが高含有である。オレンジ類、イヨカン、アマナツにはほとんど含まれていない。
- オーラプテン:イーチャンレモン、ヘンカミカンが高含有品種である。
- ノビレチン:キングが最も高含有である。
- 総リモノイド:多くのカンキツが配糖体の形でかなりの量を含んでいる。その中でユーレカレモン、キングが高含有品種である。
- がん細胞増殖抑制活性:キングで最も活性が高く、その活性にはポリメトキシフラボンが関与している。
- 白血病細胞(HL-60)の分化を誘導する活性:キングで最も高く、その活性にはポリメトキシフラボンが関与している。
成果の活用面・留意点
消費者へのβ-クリプトキサンチンとリモノイド類の供給は既存経済品種で十分であるが、これ以外の成分は既存経済品種の可食部にほとんど含まれず、新規高含有品種、果皮を活用した高含有加工品の開発が必要である。
具体的データ

その他
- 研究課題名:発がん抑制成分、発がん抑制活性のカンキツ品種・属間差
- 予算区分:生研機構 基礎研究推進事業
- 研究期間:平成12年度(平成8~12年)
- 研究担当者:矢野昌充、杉浦 実、小川一紀、根角博久、吉田俊雄,中野睦子、川井悟
- 発表論文等:1)Antiproliferative effects of the readily extractable fractions prepared from various citrus juices on several cancer cell lines,J.Agric. Food Chem.,47,2509-2512(1999)
2)HL-60 differentiating activity and flavonoid content of the readily extractable fractions prepared from various citrus juices on several cancer cell ines,J.Agric. Food Chem.,47:128-135(1999)
3)Quantitation of Flavonoid Constituents in Citrus Fruits,J.Agric. Food Chem.,47,3565-3571(1999)
4)オーラプテン高含有ミカン科植物作出法(特許第2963967号 平成11年8月13日)