官能評価のための日本語テクスチャー用語リスト

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要約

アンケート等によって得た日本語テクスチャー用語リストは445語から構成される。このうち、都市部消費者へのアンケートによって明らかにされた「消費者の語彙」は135語である。これらは、分析型および嗜好型官能評価の際の用語選定に活用できる。

  • キーワード:官能評価、用語、テクスチャー、分析型パネル、消費者パネル
  • 担当:食総研・食品機能研究領域・食品物性ユニット
  • 連絡先:電話029-838-8031
  • 区分:食品試験研究
  • 分類:研究・普及

背景・ねらい

官能評価においては「かたい」「こく」等、評価用語の選択は結果に大きく影響する。特に、テクスチャーは味や匂いのような標準物質の設定が難しいことから、用語の重要性が大きく、評価用語の選定は実験者および評価者の大きな負担となっている。そこで、テクスチャー評価の際に活用できる「用語リスト」を作成する。

成果の内容・特徴

  • 研究者へのアンケート、文献調査、専門家へのインタビューによって得たテクスチャー用語は445語である(表1)。
  • 1960年代に作成された用語リストと比較すると、テクスチャー表現には時代による変化が認められる。したがって、現代の官能評価には現代の用語リストを参照するべきである。
  • 外国語のリストと比較すると、日本語のテクスチャー表現は用語数が多く、特に粘りや弾力に関する表現が豊富である。官能評価には、国際標準で提唱されている用語だけでなく本用語リストも併用することが現実的である。
  • 都市部一般消費者を対象としたアンケートによって、用語を認知している人が75%を超える135語を「消費者の語彙」とする(表1赤字)。

成果の活用面・留意点

農林水産業、食品産業等、食に関する様々な分野において、分析型および嗜好型パネルの官能評価の用語選定、用語の定義づけの際に参照できる。さらに、消費者への情報発信の際の用語選定にも活用できる。

具体的データ

表1 日本語テクスチャー用語

その他

  • 研究課題名:高性能機器及び生体情報等を活用した食品評価技術の開発
  • 課題ID:313-f
  • 予算区分:新技術・新分野
  • 研究期間:2004~2006年度
  • 研究担当者:早川文代、神山かおる、風見由香利、阿久澤さゆり(東京農大)、井奥加奈(大阪教育大)、
    齋藤昌義(国際農研)、西成勝好(大阪市大)、馬場康維(統計数理研)、
    山野善正(おいしさの科学研)、米田千恵(千葉大)
  • 発表論文等:1)早川ら(2005) 食科工 52 (8):337-346
    2)早川ら(2006) 食科工 53 (6):327-336