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アカバネウイルス(OBE-1株)に対するモノクローナル抗体を用いたELISAを行いアカバネウイルスの分離株の抗原性を比較した結果,アカバネウイルス分離株の抗原性に相違があることが明らかとなった。
アカバネ病は1972年から1974年にかけて大流行し今もなお発生しているが,初期の症状に比べて病原性の変化が疑われている。またポリクローナル抗体を用いた中和試験によりアカバネウイルス株間に抗原性の差異があることが報告されている。そこで更に詳細にアカバネウイルスの株間の抗原性の比較をするためにワクチンの原株であるOBE-1株を用いて,モノクローナル抗体を作出し,OBE-1株,プロトタイプであるJaGAr39株,ポリクローナル抗体でJaGAr39株と片交差するIriki株,また九州地方で血球およびヌカカより分離された8株に対しモノクローナル抗体を用いてELISA試験を行い,株間の相違を明確にすることを試みた。
このモノクローナル抗体を使ってアカバネウイルスの同定および抗原性の変化を調べることが可能と思われた。従って更に多くの地域からウイルスを分離することでより簡便なアカバネウイルスの同定および抗原性の変化を予測できることが示唆された。 現在はそれぞれの株の精製ウイルス粒子を用いたELISA試験を用いているが,それぞれの株のウイルスを多量に使用することから,更に簡便な方法が望まれる。