顕微ラマン分光により脂肪の結晶化度と結晶多形を同時かつ非破壊的に可視化する技術である。食肉脂肪の「しまり」等の物性に関係する脂肪の結晶状態を、視覚的に定量評価できるとともに、豚脂肪の特異的非破壊検出が可能である。
脂肪の結晶状態、すなわち結晶化の程度(結晶化度)や結晶の種類(結晶多形)およびその分布は脂肪の物性を決め、食肉においては脂肪のしまり等の評価項目に影響する。脂肪の結晶化度と結晶多形は経時変化するため同時に評価する必要があるが、これまで適切な手法がなかった。顕微ラマン分光は脂肪の結晶状態について詳細かつ豊富な情報を与えるため、ラマン顕微鏡を用いて結晶化度と結晶多形を同時に可視化して評価する技術を開発する。
結晶化度(%) | = | 1.3×(I1130+I1122+I1098) | ×100 |
I1297+I1305) |
β' 型結晶多形(%) | = | I1418 | ×100 |
0.493×(I1297+I1305) |
β型結晶多形(%) = 結晶化度 -β' 型結晶多形
を初期条件とした多変量解析により得られる、β型結晶の特徴を持つスペクトル成分の量として求められる。