農村活性化事例データベース

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要約

農村活性化に係わる情報を体系化するリレーショナルデータベースを構築した。これにより,活性化に向けた様々な取り組み事例の収集・検索、さらには比較・分類が可能となり、既存調査資料の有効活用が図られる。

  • 担当:東北農業試験場・企画連絡室・研究技術情報科
  • 連絡先:0196-43-3408
  • 部会名:経営
  • 専門:情報処理
  • 対象:
  • 分類:指導

背景・ねらい

定性的な情報を扱う場合が多い農村活性化研究の分野では,ファクトデータベースの構築が他分野と比べて遅れている。そのため、試験研究機関や大学,行政機関等において、農村活性化事例の報告・分析結果を有効利用するのが困難となっている。そこで、事例情報の体系化を試み、比較分析や分類も可能なデータベースシステムを構築する。

成果の内容・特徴

  • システムの概要
    本システムは、地域づくりの意思決定支援及び研究支援を目指した リレーショナル型データベースである。具体的なデータソースとしては、 東北地域豊かなむらづくりコンクール推薦調書、 地域水田農業研究の成果、文献資料を利用し、 それぞれ79件、24件、470件の情報を蓄積している。 なお、ソフトウエアは管理工学研究所の「桐ver.4」を使用した。
  • システムの特徴
    1.推薦調書に含まれる内容を複数のサブテーブル毎に入力する。 また、地域農業の代表的な組織化事例を東北農業経営・農村生活研究資料から、 地域の引用実績を構造改善協会や農政調査委員会等の現地情報資料から、 それぞれ別途作成する (図1参照) 。 これによって、あいまいな文書情報からもデータの抽出ができる。 なお、サブテーブルは、(1)地域特性の指標及び地域づくり推進組識の概要、 (2)地域グループの活動状況、 (3)地域づくりの過程の中でのイノベーションの導入状況、 (4)補助事業の導入状況、(5)地域資源や特産品の保有状況、 (6)活性化を目的としたイベントの開催状況、 (7)交流活動(産直,直販,農村体験等)の実施状況、を設定した。
    2.テーブル毎に分割した情報は利用プログラムにより再統合され、 事例の全体像を把握する。 図2 にあるように、検索表示用プログラムは、 特定の主要作目や地域条件に合致する事例を検索し、地域特性指標および 豊かなむらづくりコンクール受賞集団の概要を表示する機能をもつ。 さらに特定の集団を選び、 活性化に向けた各種取り組みの詳細を表示することもできる。 表示画面そのものの印刷も可能であり、また、作目での検索では、入力した言葉を自動的にキーワードに変換することができる。

成果の活用面・留意点

  • 集計分析を行うには別途プログラムを開発する必要がある。
  • 複数のテーブルを統合する機能があれば、 桐以外のデータベースソフト上への移植も可能である。

具体的データ

図1 システムの構成

図2 システムの利用例

その他

  • 研究課題名: 東北農業研究技術情報データベースの開発
  • 予算区分 :経常
  • 研究期間 :平成6年度(平成4~6年)
  • 発表論文等:農村活性化情報データベースシステムの試作,
                               平成5年度東北農業試験場年報,1994