Web上で活用できる中山間地域におけるマーケティング支援システム
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要約
本システムは、中山間地域の農産物を対象に、消費モニター制度とWebマーケティング支援システムを体系化したもので、Web上で利用でき中山間地域のマーケティング戦略が策定できる。
- キーワード:モニター制度、マーケティング支援システム、マーケティング戦略
- 担当:東北農研・総合研究部・総合研究第5チーム
- 連絡先:電話019-643-3494、電子メール shimo@affrc.go.jp
- 区分:東北農業・経営、共通基盤・総合研究、共通基盤・経営
- 分類:技術・普及
背景・ねらい
わが国の中山間地域では中小産地がほとんどを占めるが、産地間競争の激化に伴い、独自のマーケティング戦略の展開が求められている。それに対し、中山間地域の中小産地のマーケティング戦略策定を支援するマーケティング支援システムを開発した。
成果の内容・特徴
- このシステムは、消費者ニーズ把握のためのモニター制度とマーケティング支援方策を体系化したWebマーケティング支援システムで構成される(図)。
- Webマーケティング支援システムは、「掲示板」、「物産紹介のページ自動作成」、「生産者紹介のページ自動作成」、「アンケートのページ自動作成」、「最適価格計測システム」、「コンジョイント分析」、「回答結果の自動集計システム」などで構築されている。
- 消費者モニター制度によって得られた消費者ニーズに関するデータを、本システムによって効率的に処理できる。また、「物産紹介のページ」などにアクセスしてきた一般の消費者から、データを収集することも可能である。さらに「掲示板」によって消費者の「生の声」が分かる。
- 本システムの「最適価格計測システム」で消費者が適当と考える価格帯が示され、「コンジョイント分析」により消費者は農産物の何を重視しているのかを知ることができる。
- マネージャーは、得られた分析結果をもとに、1.どのような品質の物を、2.どのような価格帯で、3.どのような販売方法で、4.どこに売るか、というマーケティング戦略を組み立てることができる。
- このマーケティング支援システムの活用により、岩手県Y村のホウレンソウのマーケティング戦略は、「品質・規格の統一を図り、普通のホウレンソウよりも1束(200g入)30円程度高い価格設定で、地場産・安心をアピールしつつ、中小市場との相対取引やスーパー・生協等への直接販売ルートの開拓をする」のように策定された。
成果の活用面・留意点
- Webマーケティング支援システムは、IDとパスワードを取得すれば県の研究機関関係者を含め農業指導者が使用可能である。(アドレス http://www.e-agri.jp/)
- マーケティング戦略の策定には、本システムによる分析に加えて、流通チャネル情報や新規導入作物の普及条件等、現地調査が前提になり、マネージャーの総合的な意思決定による所が大きい。
具体的データ

その他
- 研究課題名: 新規導入作物の消費ニーズ把握及び商品開発手法の開発
- 予算区分: 寒冷気象利用
- 課題ID: 05-01-07-01-01-03
- 研究期間: 1999~2003年度
- 研究担当者: 下山禎、野中章久、飯坂正弘、磯島昭代、渡辺満、森山真久