遠隔無線操作による野菜・花き類の苗自動搬送ロボットシステム

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要約

野菜・花き類の苗生産施設において、苗パレットを積載可能なガントリ型パレット搬送ロボットを管理棟から遠隔無線操作して、自動的に積み降ろしさせる無人制御システムを開発した。

  • キーワード:野菜、花き、苗生産施設、苗パレット、ガントリ、パレット搬送ロボット、遠隔無線操作、無人制御
  • 担当:野菜・茶業試験場 施設生産部 機械利用研究室
  • 連絡先:0569-72-1564
  • 部会名:野菜・茶業
  • 専門:機械
  • 対象:野菜・花き類
  • 分類:指導

背景・ねらい

近年セル成型苗の大量生産技術の発展により、野菜・花き苗を対象とした大規模育苗施設が各地で導入され、苗生産の自動化・省力化の技術が求められている。 そこで、トレイへの土詰め・播種から苗の肥培管理、ポットへの植え替え、出荷に至る育苗工程におけるハンドリング作業を遠隔無線操作により制御する搬送シ ステムの開発を図る。

成果の内容・特徴

  • 本システムは、これまでに開発した、栽培施設において苗の収集・配置を行うガントリ型の苗パレット搬送ロボット、作業場と栽培施設間において苗パ レットの受け渡しを行うアクセス装置に加えて、ロボットを別のレーンに移動させる横移動装置及び、管理棟のパソコンからこれらの装置を操作する、遠隔無線 システムから構成されている。(図1)、(表1)
  • 今回開発した横移動装置は、搬送ロボットを別のレーンに移動させる装置であり、これにより、栽培施設全体の苗ハンドリングが可能となっている。ACモータ駆動による6輪走行方式で、移動走行速度は0.17m/sである。
  • 今回開発した双方向制御の遠隔無線装置を用いることによって、管理棟のパソコンから、搬送ロボット、横移動装置、アクセス装置を操作することが可能である。
  • 搬送ロボットの移動の際に、コードが絡まずに走行できるように、電線コードの巻取り機構が付加されている。
  • アクセス装置のフック部の形状変更により、苗パレットの確実な受け渡しが可能である。また、モータ減速比を従来の半分にすることにより、台車の移動速度は0.3m/sに高速化されている。

成果の活用面・留意点

  • 野菜、花き類の大規模育苗施設の無人苗搬送システムを実現する際の基礎指針として利用できる。
  • 本システムの実用化のためには、その信頼性、作業性能の向上を図るとともに、生産現場での実証試験を行う必要がある。

具体的データ

図1 苗自動搬送ロボットシステムの構成

表1 苗自動搬送ロボットシステムの主要諸元

その他

  • 研究課題名:野菜・花き類の高品位・省力苗生産技術の開発
  • 予算区分 :経常
  • 研究期間 :平成8年度(平成 4~8年)
  • 研究担当者:坂上 修・林 茂彦・鹿沼隆宏
  • 発表論文等:野菜・花きの自動苗ハンドリングシステムの開発(第1~2報)・平成7,8年度
    農業機械学会講演要旨集,59-60,1995.357~358,1996.特許申請中「パレッ
    ト搬送装置」(特願平8-164598)