プレスリリース
(お知らせ) "NARO生育・収量予測ツール②イチゴ"をWAGRI上に公開

- ツールの登録品種拡大にご協力いただける方を募集します -

情報公開日:2023年11月28日 (火曜日)

ポイント

  • 農研機構は、農業データ連携基盤"WAGRI1)"を介して利用可能な「NARO生育・収量予測ツール」にイチゴの生育予測API2)を追加し、「NARO生育・収量予測ツール②イチゴ」として本日公開しました。
  • 本ツールの対応品種拡大のため、都道府県の試験研究機関やイチゴを育種されている種苗会社の皆さまより、ご協力いただける方々を募集します。

概要

農研機構は、農業データ連携基盤"WAGRI"を介して利用可能なWeb-API「NARO生育・収量予測ツール」を開発し、これまでに施設野菜3品目、露地野菜6品目の生育予測APIを提供しています。
このたび、イチゴの生育予測APIを追加し、「NARO生育・収量予測ツール②イチゴ」として"WAGRI"上に本日公開しました。
本ツールは、ハウス内の環境情報、栽培情報、葉面積情報を用いて、イチゴの総乾物生産量および積算収量の予測が可能です。
イチゴは品種により生育や花芽形成などの特性に違いがあり、収量の推移が様々ですが、「NARO生育・収量予測ツール②イチゴ」は、品種毎に収量の予測が可能です(現在、4品種登録)。本ツールについて、対応品種を拡大し、より多くの地域で利用可能にするため、都道府県の試験研究機関やイチゴを育種されている種苗会社の皆さまより、ご協力いただける方々を募集します。
今後、「NARO生育・収量予測ツール②イチゴ」は予測される年間収量の算出や収量予測を用いた出荷先との出荷量調整や作業量の把握など、幅広い活用が期待されます。

本ツールについては、11月30日、12月7日開催のイチゴ安定生産技術報告会でも紹介します。

関連情報

WAGRI-生育予測APIウェブページ: https://wagri.naro.go.jp/api_category/growth/
予算 : 運営費交付金
特許 : 特開2022-078987「農業支援プログラム、農業支援方法及び農業支援装置」

問い合わせ先
研究推進責任者 :
農研機構野菜花き研究部門 所長松元 哲
研究担当者 :
同 施設生産システム研究領域 グループ長礒﨑 真英
研究員杉山 智美
広報担当者 :
同 研究推進室仁木 智哉


詳細情報

「NARO生育・収量予測ツール②イチゴ」の特徴

農業データ連携基盤"WAGRI"は、気象情報や農地データ、生育予測、病害虫診断など農業に役立つデータやプログラムを提供しており、これらを活用した作物の安定生産および生産性の向上を目指しています。農研機構では、施設野菜3品目(トマト、キュウリ、パプリカ)および露地野菜6品目(キャベツ、レタス、ブロッコリー、ホウレンソウ、タマネギ、葉ネギ)について「NARO生育・収量予測ツール」として生育予測APIを提供しています。

このたび、イチゴでも上記のようなツールを利用したいとの要望があり、イチゴの生育予測APIを開発し、「NARO生育・収量予測ツール②イチゴ」として"WAGRI"上に本日公開しました。これにより、"WAGRI"を通して農業者へサービスを提供するICTベンダー等に対してAPIの提供が可能です。さらにICTベンダー等が本APIを用いたイチゴの収量予測サービスを生産者に提供できるようになります。

「NARO生育・収量予測ツール②イチゴ」は、利用者が入力したハウスの環境情報、栽培情報、葉面積情報に基づいて、葉面積指数、総乾物生産量、積算収量を計算し、計算結果として出力します(図1)。イチゴは各品種に生育等の特性に違いがあるため、本ツールは品種を選択し、品種毎に計算が可能な仕様にしました。現在4品種を利用可能な品種として登録しています。

図1 「NARO生育・収量予測ツール②イチゴ」のシステム概要図

「NARO生育・収量予測ツール②イチゴ」は、農業データ連携基盤"WAGRI"上でWAGRI利用会員を対象に公開しています。WAGRIの利用会員(有料)にご登録いただき、本ツールの利用開始から1年間は本ツールを無料で利用することができます。なお、1年間利用後は、有料となります。本ツールに登録している品種名は、本ツールの利用申請をされているWAGRI利用会員のみに提供しております。利用者に提供する品種名は、品種によっては栽培が認められている地域の利用者に限定するなど、品種の事情を考慮して提供することを予定しています。

今後、国内で栽培されている主要な品種にも順次対応していくため、都道府県の試験研究機関やイチゴを育種されている種苗会社の皆さまより、ご協力いただける方々を募集します。

本ツールへの品種登録にご協力いただける方は、問い合わせ先< >にご連絡ください。連携方法については、個別にご相談いたします。

用語の解説

WAGRI
WAGRI(農業データ連携基盤)とは、農業向けのデータやプログラムが提供する公的クラウドサービスです。詳しくはこちらのウェブサイト(https://wagri.naro.go.jp/)をご覧ください。[ポイントへ戻る]
API
APIはApplication Programming Interfaceの略称であり、ソフトウェアやプログラム間をつなぐインターフェースのことを指します。[ポイントへ戻る]