ポイント
農研機構は、「通い農業1)支援システム」の製作方法を説明したマニュアルを本日ウェブサイトで公開しました。「通い農業支援システム」は、通信機能付きマイコン2)と小型パソコンを組み合わせ、ハウスの情報をスマートフォンで確認できる遠隔監視システムです。ハウス内の温度などを定期的に確認できるほか、取得データは平均値やグラフなど生産者が利用しやすいように変換できます。材料費2万円から作成できます。本マニュアルにより、安価かつ簡便に「通い農業支援システム」を製作することでハウスの管理を省力化することができます。
概要
東京電力福島第一原子力発電所の事故後、福島の営農再開地域では、居住地から遠く離れたハウスを往来しながら農業を行う「通い農業」を行っている農業経営や、ハウスが複数箇所に分散している農業経営があります。そうした状況では、各ハウスの状況を現地で確認することは大変な作業です。

農研機構では、このような遠隔地のハウスへ通いながら行う農業の支援に向け、IoTなどのスマート技術の適用を検討してきました。その結果、高価で高精度な機器の運用ではなく、生産者自身が安価で簡便なシステムを構築でき、ハウスから離れていても容易にハウスの状況が確認できる「通い農業支援システム」を開発しました。
本日公開された製作マニュアルに従って製作することで、簡単に「通い農業支援システム」を導入できます。材料費は2万円から作成でき、維持費は月に約千円と低価格です。ハウスの温度、湿度、土壌水分を定期的にスマートフォンで気軽に確認できるほか、最高温度、最低温度や平均温度といった管理作業に必要な情報、グラフによる履歴の確認も可能です。
「通い農業支援システム」を導入することで、生産者がハウス管理のために実際に足を運ぶ頻度を減らすことが可能になり、見回り時間が削減できます。
【マニュアル掲載URL】
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/pamphlet/tech-pamph/142629.html |
関連情報
予算:   食料生産地域再生のための先端技術展開事業「原発事故からの復興のための放射性物質対策に関する              実証研究」