畜A01 TMRセンターアクシス・漆原牧場(北海道中標津町)

実証課題名
TMRセンター利用型良質自給飼料生産利用による高泌乳牛のスマート牛群管理体系の実証
経営概要
978ha(牧草690ha、飼料用トウモロコシ232ha、草地更新56ha)うち実証面積978ha
経産牛130頭規模

導入技

①ドローン空撮(トウモロコシ圃場の雑草状況・播種密度計測)、②収穫調製作業自動記録システム、③無人ヘリ殺菌剤散布、④ドローン空撮(トウモロコシ収量予測)、⑤IoT活用型TMR調製システム、⑥搾乳ロボットデータ管理システム、⑦牛舎内特定個体位置情報検索システム など

  • 栽培管理の高度化でサイレージ収量・品質改善、調製作業効率10%向上。
  • TMR製造労働時間の1割以上削減、製品管理作業時間を従来比1/10へ短縮。
  • 乳牛の異常発生時の対応時間を従来比1/10へ短縮。
  • TMR高品質化による乳量・乳成分の改善と乳牛の健康の維持増進。

目標に対する達成状況

  • 飼料用トウモロコシ圃場の雑草繁茂位置が圃場ごとに可視化され、実証期間内には除草剤節減にまでは至らなかったが、スポット除草か全面散布かの判断材料が取得可能になった。
  • トウモロコシ収量がドローン空撮データに基づき誤差15.9%で推定。精度80%以上の目標達成。
  • 収穫調製作業の自動記録・リアルタイムモニタリングで最適な配車指示、作業時間が10%削減されて目標達成。
  • 搾乳ロボットデータ、出荷乳(バルク乳)乳質データが共有かつリモート閲覧が可能になり目標達成。

導入技術の効果

ドローン画像解析による雑草計測

  • ドローン画像解析により飼料用トウモロコシ圃場の雑草率(雑草繁茂と認識される1m2メッシュ数の割合)を可視化
  • 中央値は0.28%、すなわち除草剤を集中的に散布すべき箇所が1ha中に30ポイント程度の圃場が多いことが判明。
  • 一方、圃場によっては雑草率が6.1%、1ha中600ポイント以上になることも。

スポット除草or全面散布判断材料になる。

ドローン画像解析による収量予測

  • ドローン画像解析により飼料用トウモロコシ収穫直前の地上部体積を圃場ごとに算出、材料収穫量(原物収量)との関係を解析
  • 両者に強い正の相関(r=0.96)
  • 誤差(推定値と実測値の差の絶対値を平均、収量平均値に対する比率に換算) = 15.9%

→収量予測で作業計画(収穫順、サイロ準備)が容易になる。

作業自動記録・リアルタイムモニタリング

  • 作業軌跡を自動記録・リアルタイムモニターシステムを導入
  • 2019年度 = TMRセンターでモニターして各車両に指示
  • 2020年度 = 各車両にタブレットを搭載

→ダンプの渋滞解消作業時間10%↓

搾乳ロボット・バルク乳データリモートアクセス

  • TMRセンターにいながら、あるいは出先で、搾乳ロボットデータ(乳量、搾乳回数、反芻状況など)、バルク乳データにアクセス可能
  • 問題発生時にデータ確認のための酪農家訪問が不要

訪問に要する時間平均約20分、最長約40分が節減、迅速な対応が可能

事業終了後の普及のための取組

  • 計根別農協、ホクレン、農研機構北海道農業研究センターなど関係機関を中心に、視察受け入れ・対応、成果公表を行うとともに、講習会などの機会を利用して道内外TMRセンター関係者への広報を図る。
問い合わせ先

農研機構北海道農業研究センター寒地酪農研究領域

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