畜C02 (有)グリーンハートティーアンドケイ(栃木県大田原市)

実証課題名
次世代閉鎖型搾乳牛舎とロボット、ICTによる省力化スマート酪農生産の実証
経営概要
乳用牛1400頭、肉用牛1500頭

導入技

①次世代閉鎖型搾乳牛舎、②搾乳ロボット・乳質検知、③自動給餌器、④自動敷料散布機、⑤餌寄せロボット、⑥発情発見システム、⑦蹄病予察、⑧牛群位置検知

  • 乳量の20%増、総労働時間を30%削減、繁殖成績の改善、適期発情発見法の確立と適期発見による損失の低減、蹄病の早期発見法の確立とこれらによる損失の低減

目標に対する達成状況

  • 実乳量と期待乳量との差を従来の開放型牛舎と比較したところ、本システム(80頭規模フリーストール)では1日1頭当たり約6kg多く生産され、約18%の増加となり、目標はほぼ達成された。
  • 本システムの作業時間は0.3時間/頭・年であり、従来の開放型牛舎(10.9時間/頭・年) と比較し、約97%減。また、スマート農機導入前のシステム(1.4時間/頭・年)と比較し、83%減となった。

導入技術の効果

牛の位置検知による環境制御

  • 画像により牛の位置を把握し、牛の居場所によって局所的に環境を制御することで夏季の熱ストレスを軽減するとともに、換気扇の電気料を節約する。
  • 乳量が約18%増

自動機器による省力化

  • 搾乳ロボット、自動敷料散布機、自動給餌器、餌寄せロボット、洗浄ロボットの導入により作業時間は、0.3時間/頭・年となり、従来型開放牛舎(10.9時間/頭・年)と比較し、約97%削減

乳質検知装置

  • 乳質検知装置により、個体別かつ搾乳毎の乳質のリアルタイム検知が可能となり、発情発見、疾病の早期発見に有効

発情、蹄病の早期発見

  • 行動検知により発情を検知した。分娩後の初回発情がわかることにより、牛の個体に合わせた授精タイミングを設定することが可能。
  • 行動、乳量データからAIによる蹄病予測モデルにより蹄病を84%の精度で予測可能。

事業終了後の普及のための取組

  • 乳質や発情、蹄病の早期発見、各自動機器の経営に対する効果に関しては、引き続きデータを収集し、技術の向上を図り、効果を検証していく。
  • 本システムが経済的に成立するのは、飼養頭数規模が300頭以上と試算された。これより小規模な農場に導入するには機器の初期コストを下げることが課題であるため、低コスト化を検討する。
  • 開発した酪農クラウドをアニマルウェルフェアのスコアリングやフードチェーンへ発展させる予定である。
問い合わせ先

宇都宮大学農学部 生物資源循環工学研究室

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キーワード

病気予測、発情等検知、個体行動監視、給餌機、畜産、発情検知、生産管理クラウド、位置情報、活動量計