果E04 (株)オレンジアグリ、(有)すぎもと農園(三重県御浜町)

実証課題名
中山間地域における労働力不足の克服と気候変動に適応した省力的高品質産地生産技術の実証
経営概要
(株)オレンジアグリ 4.55ha(柑橘類4.55ha)実証面積:温州みかん0.3ha
(有)すぎもと農園 11.4 ha(柑橘類11.4ha)実証面積:温州みかん3.7ha

導入技

①輸出に対応した高精度選果システム、②個別包装技術、③除草・防除の自動化、④プレ選果機による一次選果データと営農指導支援システムの連動、⑤ウェザーステーションと多目的スプリンクラーによる精密栽培管理

  • 栽培関連作業(除草・防除)労力の8割削減、輸出果製品率75% ⇒ 90%(20%向上)、極早生温州みかんの収量・品質の10%向上、平均糖度 9.2% ⇒ 10.5%、ブランド合格率60%

目標に対する達成状況

  • 刈払機除草比51%~83%削減(平均67%削減)、省力防除(畦畔ノズル)比100.5% (未達成)
  • カメラ精度向上で選果エラー減少、3か年比製品率7%向上(未達成)
  • 個別包装時間94%削減(達成)
  • 極早生温州みかん:収量 1,900kg/10a ⇒ 2,514kg/10a(達成)、糖度9.2%⇒10.4%(ほぼ達成)
    ブランド合格率 20% ⇒ 62.8%(達成)
  • プレ選果機の処理速度は家庭選別作業の約2.3倍。作業時間71%削減。コンテナの上げ下ろし労力53%削減

導入技術の効果

多機能草刈機・ドローン防除技術

  • 乗用草刈機と牽引除草剤散布機により除草時間は51~83%削減
  • 多くの従業員が肉体的負担が楽になったと評価。
  • 自律飛行ドローンは省力防除(畦畔ノズル)と同等の作業時間100.5%
  • タンク容量と飛行可能時間増による飛行回数の削減が効率化の課題

高性能選果技術、個別包装技術

  • 高性能選果機(12面カメラ搭載)により選果エラー及び傷果の混入は減少。選果データの栽培管理へのフィードバックにより輸出果製品率7%向上
  • 個別包装機により個別包装作業時間94%削減
  • 個別包装による輸送中の傷み軽減と鮮度維持が輸入先に高評価。輸出量2.6倍(H30年比)。

ウェザーステーション・多目的スプリンクラーの精密管理技術

  • ウェザーステーション(気象観測装置)と自動給水システムが観測データと連携して駆動。スマートフォンでのモニタリング及び遠隔操作が可能。
  • 自動制御のスプリンクラー散水により日焼け果の発生を軽減
  • 高温環境下においても、樹体・果実温度を下げることで光合成の効率樹勢を向上し、果実品質(糖度)収量を向上

プレ選果機と営農指導支援システムのデータ連携技術

  • 家庭選別作業の約2.3倍の処理量
  • 果実1tあたりの家庭選別作業時間を71%削減
  • 家庭選果作業に係るコンテナ上げ下ろし労力を53%削減
  • 選果データの連携解析で圃場・品種毎の次期作営農計画提案が可能

事業終了後の普及のための取組

  • 除草作業は労力削減効果が認められたため、園地整備・機械改良等により利用率の向上を図る。輸出向け果実の高性能選果と個別包装については、商品力の強化効果が見られたため、輸出に取り組むモデルとして推進を図る。
  • 営農指導支援システムに蓄積されるデータ(気象環境・生育情報・防除実績・一次選果データ・本選果データ等)を検証し、指導者が生産者の次期営農計画に活かすとともに、担い手となる若手農業者へ更なる取組拡大を図る。
問い合わせ先

三重県農林水産部農産園芸課

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