果G08 JAにしうわスマート農業研究会(愛媛県八幡浜市)

実証課題名
未来型柑橘生産に向けたAI等先端技術の導入によるスマート営農体系の実証
経営概要
26.8ha(温州みかん20ha、甘平1ha、その他中晩柑類5.8ha)
うち実証面積:かんきつ1.3ha(温州みかん0.9ha、甘平0.4ha)

導入技

①気象ロボット、②アシストスーツ、③AI選果機、④経営・栽培管理システム

  • 10a当たりの収量(温州みかん、甘平) : 2~3割向上
  • 10a当たりの労働時間(温州みかん) : 2割削減

目標に対する達成状況

  • 気象ロボットで圃場環境をモニタリングし、観測データに基づき栽培管理することにより、 10a当たり収量は、温州みかんで14%増加(5.7t→6.5t)、甘平では32%増加(2.2t→2.9t)し、目標を達成した。
  • 10a当たりの労働時間は、マルチドリップ栽培とAI選果機の導入により、除草や選果・出荷等の作業時間 が大幅に省略され、県経営指標に比べて30%削減(180時間→126時間)し、目標を達成した。

導入技術の効果

気象ロボットデータに基づく最適管理

  • 温州みかん、甘平の収量推移
    気象ロボットで圃場環境データをモニタリングし、データに基づく栽培管理で、実証農家の10a当たり収量は平成30年に比べて温州みかんで14%増加、甘平で32%増加した。

アシストスーツによる労働強度の軽減

  • 農業資材運搬における簡易アシストスーツ利用と軽労働評価(n=13)
    簡易アシストスーツは、園地内での資材運搬時等に、疲労度軽減率が13.8%と比較的高い評価が得られた。

AI選果機による労働力の削減

  • AI選果機の判別精度と労働力削減効果
    階級、腐敗、スリップス、着色の判別精度は100%であったが、生傷の判別精度に課題が残った。年間労働時間は、AI選果機導入により126.2時間(うち選果・出荷時間は4.2時間)に削減された。

経営・栽培管理の「見える化」

  • スマート機器使用による栽培管理最適面積
    経営・栽培管理システムに蓄積された圃場環境データ、経営データ等から栽培管理に最適な面積をシミュレ―ションした結果、収益が向上し労働時間は削減された。
     温州みかん:経営面積50a(令和元年実績対比収益32%増加、総労働時間30%削減)
     甘平:経営面積20a(令和元年実績対比収益70%増加、総労働時間25%削減)

事業終了後の普及のための取組

  • 今後、経年データを分析し、収量と品質のバランスを考えた潅水、液肥施用、マルチ被覆の最適な時期を明らかにする。
  • 様々なタイプのアシストスーツを総合評価し、柑橘園での作業等に最も適した機器を特定する。
  • AI選果機の大型選果場のプレ選別機としての可能性を探るため、選果データを蓄積し機能性の向上に取り組む。
  • 立地環境条件に合ったスマート機器を利用した営農技術体系を策定し、県、市、町の単独補助事業を創出する。
問い合わせ先

愛媛県八幡浜支局地域農業育成室

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キーワード

営農管理システム、選果機等、栽培環境センシング、果樹、気象センサ、かん水装置、生産管理クラウド、点滴かん水、ミカン