施H05 JA熊本市茄子部会、JA鹿本西瓜専門部(熊本県熊本市、山鹿市)

実証課題名
「ICT技術やAI技術等を活用した日本一園芸産地プロジェクト(施設園芸:なす・すいか)」の実証
経営概要
なす76ha・すいか366ha うち実証面積:なす76ha・すいか366ha

導入技

①FarmBox(営農管理システム)、②FarmRecords(生産情報管理システム)、③FarmChat(農業チャットツール)、④ゼロアグリ(AI自動かん水・施肥システム)、⑤RightARM(経営支援・出荷予測ソフト)、⑥畑が見えるLite(QRコード公開システム)、⑦マッスルスーツedge(アシストスーツ)

  • 収量及び品質の向上に伴う販売額の増加(1戸当たり)※R2年産7%増、R5年産20%増

目標に対する達成状況

本実証により部会の営農技術が高位平準化した結果、JA熊本市茄子部会、JA鹿本西瓜専門部ともに収穫量等が上昇し、R1年産で、R2年の目標は達成。実証項目ごとの目標に対する達成状況は次のとおり。

  • ゼロアグリの導入により、モニター農業者(1名)のR2年作は収量が20%増、かん水に伴う労働時間は1年間で196時間減を実現。
  • モニター農業者以外にもFarmChatの登録者を拡大(148名)し、熊本県の病害虫の予察情報、熊本県の災害関係の注意・対策情報、JA熊本市茄子部会全体の選果場の荷受量、花芽の調査(収量見込み)等の情報を配信。
  • RightARMによる出荷量予測モデルの精度はR2年3月~6月のなす出荷量で絶対誤差率が約10%まで向上。
  • FarmBoxによる国際認証GGAPのグループ認証については、チェックリスト91項目のうち19項目の管理業務が効率化し、人員体制を一人削減。JGAPのグループ認証については、34項目のうち12項目の管理業務が効率化し、一人当たり約1時間削減。

導入技術の効果

④ゼロアグリ

  • R1年度の実証結果を基に新たな施肥量計画を作成したことにより、生育は良好で、対照区と比較した実証区の収量は14%増で推移。かん水・施肥に係る労働時間は196時間減を実現。

①FarmBox(営農管理)

  • ハウスの付加情報(加温設備・ハウスの内張)を正確にデータ化したことで、JA指導員の巡回指導が効率化されるとともに、営農指導が効率化。(異動等により農業者の圃場位置やハウスの情報を把握するのに必要な日数:120日→0日)
  • 毎年農業者から情報を収集し、手書きで作成していた栽培面積調査の労働時間が大幅に低減するとともに、栽培面積がハウスの実面積で把握。(これまで:指導員15名で約7日→指導員15名で約4日)
  • ハウスの間口の長さ・棟数について正確な情報がデータ化されたため、施設の改修や資材の購入にあたって、この情報を有効活用。

⑤RightARM(出荷予測)

  • 出荷量が多く、また、時期ごとの出荷量の増減が激しい3-6月の出荷量を予測した結果、全出荷量で絶対誤差率約10% を実現。

①FarmBox(GAP管理)

  • 国際認証GGAPのグループ認証においては、チェックリスト91項目のうち19項目の管理業務が効率化し、人員体制を一人削減。JGAPのグループ認証においては、34項目のうち12項目の管理業務が効率化、部会員一人あたり約1時間削減。

事業終了後の普及のための取組

  • 今後、本プロジェクト実証の課題に対応するシステム改良や運用サポート(伴走型の支援)を行うことで、高齢農業者でも利用できる機能と運用環境を充実。
  • 農業ICTサービス(システム)同士の連携事例は少ないことから、農業者は目的ごとにシステムを導入する必要があり、農業者にとって非効率で負担が大きい状況を踏まえ、本プロジェクトのコンソ構成員間のシステム連携を進めることで効率化を実現したい。
  • 本プロジェクトで実証したFarmChat、FarmBox、FarmRecords等のシステムを広く普及するため、熊本県農協中央会と連携して県内の他農協へのシステム導入を進めている他、R3年度には熊本市で担い手の育成に用するためにFarmChatとFarmBoxを導入予定。
問い合わせ先

(株)ファーム・アライアンス・マネジメント担当:小林

E-mail:

関連リンク
キーワード

水管理システム、栽培管理システム、生育・収量等予測システム、生育予測システム、収量予測システム、出荷量予測システム、情報共有ツール、トレーサビリティ、トレサ、生産履歴管理、生産管理クラウド、かん水装置、GAP認証、輸出、ナス、スイカ