施H06 JA阿蘇いちご部会委託部(熊本県阿蘇市)

実証課題名
促成イチゴ栽培における圃場内環境および作物生育情報を活用した局所適時環境調節技術による省エネ多収安定生産と自動選別・パック詰めロボットを活用した調製作業の省力化による次世代型経営体系の実証
経営概要
191a(イチゴ) うち実証面積:37.3a

導入技

①局所適時CO2施用による多収安定生産技術 ②画像情報と圃場内環境測定による生育環境・収穫情報の収集技術 ③各種情報を活用した収量予測と可視化技術 ④選別・パック詰めロボットの実証

  • 10%の増収と本圃管理作業の20%の省力化、20%の省エネ(省資源)化
  • 圃場内栽培環境、作物生育情報の収集技術の確立とスマホ等の活用による可視化アプリの提供
  • 生育特徴量計測精度90%以上、収量予測精度80%以上の検出予測精度を達成
  • 共同選果施設での自動選別ロボットの活用で、出荷調製コストを10%程度低減

目標に対する達成状況

  • 適時CO2施用では、慣行施用区比で約30%の灯油削減を確認。
    さらに、局所適時CO2施用技術の導入により、設備費を加えても収益が5%増加。
  • 圃場環境情報を可視化するアプリを全実証生産者、関係者に向けて、サービスの提供を開始。
  • 画像情報による果数、熟度の把握とハウス内環境情報を活用することで、高精度で収量予測が可能。
  • 自動選別パック詰めロボットについては、1果当たり3~4秒で選別可能。作業効率は現在検証中。

導入技術の効果

CO2施用技術のスマート化

  • 適時CO2施用技術の導入により、 灯油使用量30%削減。
  • 局所適時CO2施用技術の導入により、早期収量8%増。

収量予測

  • イチゴ生育画像解析システム「AGRI-VISION」により、熟度別果数が精度よく推定可能。
  • 果数、熟度、ハウス内環境情報を活用することで、精度よく収量予測が可能(平均絶対パーセント誤差:25%) 。

局所適時CO2施用の収益性

  • 局所適時CO2施用技術の導入により、設備費を加えても収益が5%増。R2年度は面積を拡大して、検証中。

自動選別・パック詰めロボット

  • 人工知能により収穫コンテナ内の果実を検出。
  • リアルハプティクス技術により果実の損傷がなく取り扱いが可能。
  • 出荷容器「ゆりかーご」を自動供給し、パック詰めが可能。

事業終了後の普及のための取組

  • 得られた成果は成果集として取り纏め、ホームページ等で電子媒体での配布を行うとともに、アグリビジネス創出フェア等の展示会への出展や周辺産地からの見学の受け入れを進めることで技術の周知を行い、先進的な経営モデルとして認知度を高める。
  • 検証中の各種スマート農業技術については、可能な限り市販化を進めるとともに、検証に必要となるデータ収集を継続して行う。
問い合わせ先

農研機構九州沖縄農業研究センター研究推進室

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