中G09 (農)ファーム・おだ(広島県東広島市)

実証課題名
中山間水田複合作における省力化と新しい品種、販路等へ挑戦するスマート農業技術活用体系の実証
経営概要
水張面積87ha(水稲53ha、大豆18ha、小麦8.7ha、飼料米4.8ha、酒米4.1ha、広島菜1.1ha) うち実証面積53ha

導入技

①リモコン草刈機と適用可能畦畔解析、②土壌センサ付き可変施肥田植機を活用した水稲新品種導入展開過程のスマート化、③圃場水管理システムによる水管理の省力化、④食味計付き収量コンバインによる分別集荷

  • 畦畔管理においては、1日の草刈面積を2倍にする。
  • スマート農業技術導入により、米の売上額において10%の増加を目標とする。さらに、収益改善効果を総合的に評価し、償却費等を差し引いた上で所得の採算が保証されるための適正な導入技術費用を明らかにする。

目標に対する達成状況

  • リモコン草刈機は法面での刈払機作業の草刈り面積2倍の目標を達成(1~3a/h→4.3~8.6a/h)
  • 食味計付き収量コンバインで分別集荷した良食味米は、直売所やイベントで、1.2倍以上の単価で販売され価格目標を実現したが、法人全体の米の出荷量に対し販売量が少なく、売上額の伸びは1%増に留まった(132,121円/10a →134,172円/10a) 。

導入技術の効果

リモコン草刈機

  • リモコン草刈機と慣行の刈払機作業を比較試算すると、1日の草刈面積2倍(13a/日)は達成可能。更に適用可能畦畔を選択的に作業すれば試算面積は増加。

※作業効率試験データおよび文献の作業効率より、圃場5筆を1単位としそれに付随する畦畔2aを草刈り作業する場合の作業効率と、作業・移動を含む1日の総作業時間6時間での作業可能な最大面積の試算を行った。 ※作業効率は、刈払機は1~3a/h(文献)、リモコン草刈機は4.3~8.6a/h(令和2年度調査、通常~高効率作業)で試算

新品種導入過程のスマート化

  • 施肥量の異なる圃場での単収を食味計付き収量コンバインで計測することにより、従来品種よりも1~2割多収の新品種に最適な当地での施肥水準を、生産者自らが1年で確立。

分別集荷による有利販売

  • 食味計付き収量コンバインで分別集荷した低タンパク良食味米を直売所やイベントで販売し、通常米よりも20%以上の高価格を実現。

新規導入品種の生産拡大過程のスマート化

  • 可変施肥田植え機により均一施肥に比べて9%減肥、品質同等(玄米蛋白、整粒率、検査等級)で収量はコシヒカリ対比12%増

事業終了後の普及のための取組

  • リモコン草刈機については、コンソーシアム担当者以外にも体験をしてもらい、適切な利用方法にもとづく利用拡大をはかる。
  • 今回導入した品種の生産拡大、新たな品種導入に向けて、スマート農機において引き続きデータを集積、市場へアピールする。
問い合わせ先

農研機構西日本農業研究センター

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キーワード

中山間水田作、畦畔管理マップ、草刈り機、中山間地、新品種の導入、NDVI、イネ