大C06 (有)横田農場ほか2農場(茨城県龍ケ崎市等)

実証課題名
関東平坦部における栽培管理支援システムとスマート農機の連携による大規模水稲作営農体系の実証
経営概要
水稲①横田農場:150ha、②AMAGUCHIfarm:48ha、③KファームNAITO:39ha(いずれもプロジェクト開始時)うち実証面積:合計40ha

導入技

①圃場水管理システム、②自動運転田植機、③自動運転トラクタ、④食味・収量コンバイン+データ連携玄米選別機、⑤栽培管理支援システム+営農管理システム

  • ロボット農機等導入による作業時間20%減、ICTを活用したデータ駆動型農業により生産性10%向上→ 従事者一人当たりの労働報酬の40%向上

目標に対する達成状況

  • 自動運転トラクタ:同時作業(無人機+有人機、耕うん作業)で30%以上作業時間を削減。
  • 自動運転田植機:慣行田植機との2台運用で苗補給を共有する条件で30%以上作業時間を削減。
  • 収量コンバインやデータ連携玄米選別機によるデータ解析に基づき、品種構成や作期、肥培管理等の改善提案をもとに大幅に作型を調整した実証経営体において20%超の単収向上を達成。
  • 栽培管理支援システムの発育予測機能を営農管理システムに実装。多筆圃場の栽培管理に活用。

導入技術の効果

自動運転トラクタ

  • 自動運転トラクタの運用条件の工夫により、延作業時間削減を達成(表中の単位:分・人/10a、実証事例抜粋)

自動運転田植機・直播機

  • 自動運転田植機の運用条件の工夫や湛水直播への適用などで延作業時間削減を達成(表中の単位:分・人/10a、実証事例抜粋)

データ駆動型生産の有効性実証

  • 収量コンバイン等による圃場別の品質・収量データを取得・解析(2019年)
  • 経営規模の拡大が限定され、作型を大幅に調整した経営体において20%超の単収向上を達成(左図の龍ヶ崎)

営農管理システムの統合利用

  • 栽培管理支援システムの発育予測、追肥診断機能を営農管理システム内で利用可能とし、左記のデータ駆動型生産に利用。
  • 出穂期予測の誤差は概ね4日以内の精度確認。追肥診断では、同等~17%増収効果を確認。
  • 発育予測の機能に有望品種(にじのきらめき等)を追加

事業終了後の普及のための取組

  • 自動運転農機は、一筆の圃場面積、圃場集積、適用作業等により、省力化効果が変動する。省力化効果を高める運用法や圃場条件を明確にし、自動運転農機の有効利用につなげる。
  • データ駆動型生産の確立には、栽培支援情報の充実が重要となる。栽培管理支援システムの発育予測や追肥診断の適用品種の拡大やコンテンツの充実について取り組む。
問い合わせ先

農研機構 中日本農業研究センター

Tel:029-838-8481(代表)

関連リンク
キーワード

栽培管理システム、大規模水田作、可変施肥、田植え機、ロボトラ、協調作業、生産管理クラウド、NDVI、施肥マップ、イネ