中B01 (株)アグリ鶴谷(福島県南相馬市)

実証課題名
「みちびき」活用による新たなスマート営農ソリューション (中山間部における稲作経営対応)
経営概要
24ha(水稲24ha:天のつぶ16ha、ふくひびき8ha)

導入技

①ドローンのみちびき対応 ②AIによるスマート生育診断・追肥 ③AIによるスマート病害虫診断・対処 ④水位センサー ⑤営農支援プラットフォーム「あい作」

  • 天のつぶの収量5%増、肥料・農薬散布、水管理作業にかかる作業時間30%減

目標に対する達成状況

  • スマート生育診断により追肥を行い、収量が慣行に対し2カ年平均で5.2%増となり、目標を達成した。
  • ほ場で撮影した画像から病害虫・雑草のAIによる診断が可能であることが確認された。
  • 肥料・農薬散布作業時間について、手動操作または自動航行のドローンと慣行(動力散布機による散布)を比較し、 肥料は48.5%(手動)33.1%(自動)、農薬は61.8%(手動)73.6%(自動)削減し、目標を達成した。
  • 水位センサーの設置により、未設置圃場と比べ水管理作業にかかる作業時間が61.6%削減され、目標を達成した。

導入技術の効果

スマート生育診断

  • 実証圃場の画像と現地調査による生育ステージ情報から深層学習モデルを構築した。モデルを利用した固定カメラ画像によるステージ判定誤差はMAE平均2.0日だった。
  • 作成したAIの推奨追肥時期に追肥したところ収量が慣行と比べ2019年度では5.2%、2020年度では5.3%増え、2カ年平均で5.2%増となった。

スマート病害虫診断

  • スマートフォンで撮影した画像から、 AIにより病気・食害6種類、害虫8種類、雑草16種類について診断を行うことができた。
  • ドローンによる圃場の撮影画像からGRVIマップを作成し雑草を検知できた。
  • いもち病発生ほ場にてドローンからズーム撮影し画像からAIにより検知・同定することができた。

肥料・農薬散布の作業時間

  • 動力散布機と手動または自動航行ドローンを比べ削減効果を確認した。
  • 更なる効率化のため複数台同時航行による自動農薬散布試験を行い、散布時間は2台同時で1.3分/10a、4台同時で1.2分/10aとなった。

水管理の作業時間

  • 2020年度では、水位センサー設置圃場において、未設置圃場と比べ水管理作業時間が61.6%削減された。
    (141.8分/10a→54.4分/10a)

    ※圃場への給水のための待ち時間等は含まない

事業終了後の普及のための取組

  • ドローン:みちびき対応、可変施肥、複数台同時航行など実証で効果検証できた技術について、お客様の要望によりサービス提供していく。
  • 生育診断:天のつぶモデルの福島県内での普及に取り組むとともに、対象品種を増やすことで他地域での利用も進める。
  • 病害虫診断:AIによる病害虫・雑草のスマホ診断が可能なことを確認できたため、引き続き診断精度の向上および診断対象を拡大していく。
  • 水位センサー:機能を限定した安価版の提供や設置・撤去のしやすさの向上を行い、利用拡大を進める。
  • 「あい作」:実証での生産者の声を取り入れたアプリUIの改善やセンサーとの連携などを行い、利用拡大を進める。
問い合わせ先

(株)NTT データ 戦略ビジネス本部 食農ビジネス企画担当

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キーワード

リモートセンシング、栽培管理システム、中山間水田作、リモセン、生育予測システム、生育診断システム、水田センサ、生産管理クラウド、情報共有ツール、中山間地、NDVI、イネ