中H12 (農)土里夢たかた (鹿児島県南九州市)

実証課題名
中山間地における水田の高度利用技術省力化と乳用牛育成管理省力化の実証
経営概要
38.5ha(水稲13.5ha、大豆8ha、そば5ha、飼料用作物他12ha、育成牛90頭)
うち実証面積:水稲6.6ha

導入技

①自動操舵付トラクタ、②密苗技術と自動操舵付田植機、③ドローンによる農薬散布とリモートセンシング、 ④牛舎監視カメラシステム

  • 水稲生産作業時間の1割削減。自動操舵装置、ドローンの活用による省力軽作業化
  • 牛舎監視カメラシステムの活用で、乳用牛舎内監視作業時間の1割削減

目標に対する達成状況

  • 自動操舵の利用による耕起と代かきでは作業時間を約2割削減でき、目標とした1割を達成した。移植作業で密苗技術と自動操舵付田植機の導入により、移植までにかかるコストを5割削減でき、目標とした1割を達成した。ドローンの利用で適期防除が実施できたが、目標とした収量の5%向上は達成できなかった。
  • 牛舎監視カメラシステムの導入で、牛舎内監視作業時間を15%削減でき、目標とした1割を達成した。

導入技術の効果

自動操舵付トラクタ

  • 自動操舵付トラクタを用いた実証区の耕起作業時間は、慣行区36分/10aに対し、30分/10aと17%削減、また代かき作業でも慣行区41分/10aに対し、31分/10aと23%削減できた(作業機幅の違いの影響が含まれる)。

    ※令和2年度12月時点

密苗技術と自動操舵付田植機

  • 密苗技術の導入により、慣行区で18枚/10a必要だった苗箱が8枚/10aで済み、労働費を含めた移植までにかかる総コストは慣行区13,840円10aに対し実証区6,454円/10aと53%削減できた。

ドローンによる農薬散布とリモートセンシング

  • ドローンによる適期防除が実施できて病害は無かったが、登熟期の日照不足やスクミリンゴカイの食害の影響で実証区2年目の総反収は307kg/10aと少なかった。しかし、リモートセンシングの結果をもとにドローンで追肥した圃場では、追肥しなかった圃場と比較して16%の増収となった(データ略)。

牛舎監視カメラシステム

  • 牛舎内監視作業時間は、設置前56分/日から実証1、2年目48分/日となり15%削減できた。

事業終了後の普及のための取組

  • 毎年蓄積されていくデータをもとに課題を洗い出し改善することで、作業の効率化および 収量・品質の向上を図る。これにより、中山間地のモデルケースとなるような経営の安定化を目指す。
  • 実証した以外の作目でも、スマート農機を活用できる作目では最大限に活用し初期投資を軽減。また、受託作業やシェアリングでの活用も視野に入れ、域内を中心としたスマート農機の普及に取り組む。
問い合わせ先

農事組合法人 土里夢たかた

E-mail:

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キーワード

可変施肥、データ連携、牛舎管理カメラ、中山間水田作、田植え機、リモセン、イネ