畜2A01:(有)トヨニシファーム【北海道・帯広市】

実証課題名
肥育の動産担保(ABL)等の導入促進に資する生体センシング等のIoTを活用した低コスト個体モニタリングの実証
経営概要
4505頭(和牛71頭、交雑1,178頭、ホルス3,256頭)。 うち実証頭数792頭

導入技

①生体モニタリングシステム、②RFID個体在籍管理システム、③クラウド型牛群管理システム

  • IoT生体センシングによるモニタリングの省力化
  • 肥育牛に特化した生体センシングデバイスの開発
  • 畜産ABL(動産担保融資)の普及を促進するIoT活用型ABLモニタリングパッケージシステムを提案

目標に対する達成状況

  • 既存の酪農・繁殖牛向け行動分類アルゴリズムの首輪型センサデバイスが、肥育牛の行動分類でも同等の精度であることを確認。
  • 肥育牛特化型デバイスとして、首輪調整の必要ない耳標型センサを開発し、首輪調整の作業負担を削減。
  • UHF帯RFIDタグ/リーダーを用いた肥育牛の在籍確認技術により、従来方法の目視による牛の在籍確認作業時間を36%短縮。
  • ABLの普及に障害となっているモニタリング労力が削減されるとともに、モニタリング結果を肥育経営者と金融機関等のステークホルダーに共有、経営改善に直結するコミュニケーションを図るシステム(モニタリングパッケージシステム)を開発。

導入技術の効果

生体モニタリングの省力化

  • 酪農・繁殖牛向け首輪型センサデバイス(Farmnote Color)が肥育牛でも酪農・繁殖牛と同等の精度(80%)で適用されることが判明。
  • 実証牧場の一部の肥育牛へFarmnote Colorを導入した結果、起立困難検知機能により3頭の牛を救助。導入前と比較して起立困難が起因によるへい死頭数が減少。
  • Farmnote Colorを利用した肥育牛の行動解析から疾病牛の特徴として、処置を受ける50日前から反芻・休息時間が減少する傾向を確認。

在籍牛モニタリングの省力化

  • ハンドヘルド型RFIDリーダー/アプリにより、牧場内の牛の在籍確認作業時間は、従来方法から36%削減。
  • 牛舎設置型RFIDリーダー/アプリにより、遠隔地からの在籍確認が可能になると共に、在籍確認作業時間も従来方法から96%削減。

肥育牛特化型デバイス開発

  • 肥育牛特化型センシングデバイスとして、耳標型センサを開発。
  • 既存の個体識別耳標以下のサイズで飛距離200m以上、首輪型センサと同等のデータ出力を行うセンサの実証を行い、首輪型センサの行動分類モデルが問題なく適用できることが示された。

モニタリングパッケージシステム

  • IoTによる牛群管理システムで畜産ABLモニタリングの管理項目(在籍、活動時間、反芻時間)を設定することにより、モニタリング労力の1/3削減、個体識別時間50%削減し目標を十分に達成。かつ、機材導入のコストベネフィットも確認。
  • 本システムは、担保牛の評価と経営改善に直結する、高いレベルでの肥育経営と金融機関のコミュニケーションを実現し、肥育牛の次世代経営支援ツールとなることが期待される。

事業終了後の普及のための取組

  • 畜産ABLは、金融機関ごとに融資対象とする担保牛の頭数規模やモニタリングの方法など実施方針が大きく異なる。そのため、本実証で試作・提案したABLモニタリングパッケージシステムは金融機関の外部に構築する肥育経営等とのコンパクトなコミュニケーションシステムとすることで、金融機関の既存管理システムには大きな影響を与えずに導入可能なものとした。新技術を利用したABLモニタリングシステムは低価格で導入可能なものとして、特に畜産ABLの普及が進んでいない信用金庫等の地方中小金融機関での普及が期待される。
  • ABLモニタリングシステムの取組および技術について広く普及するために技術紹介動画を作成した。技術紹介動画は、Youtubeならびにプロジェクト専用WEBサイトにて公開。さらに、WEBサイトにて問い合わせ窓口を設置し、外部からの相談に対応可能とする。
問い合わせ先

株式会社ファームノート

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キーワード

個体行動監視、畜産、RFID、牛群管理システム、畜産ABL、耳標型センサ、LPWA、BLE、肉用牛、肥育牛