果2G07:(株)土佐北川農園【高知・北川村】

実証課題名
柑橘類の超省力・早期成園化実証を通した持続的中山間農業構築モデル事業
経営概要
7ha(ユズ) うち実証面積:1.4ha (ユズ)

導入技

①薬散用ドローン、②撮影用ドローン、③遠隔操作型収穫ロボット(試作機) 、④林道用索道システム、⑤屋外用搬送台車、⑥苗木・幼木省力的栽培装置、⑦安全見守りシステム、⑧5面選果センサー

  • 労働生産性の向上(成園管理時間25%減、苗木幼木管理時間50%減)、労働安全向上・労働負荷低減
  • 高品質果実に対する供給不足の解消(青果出荷比率10%向上)、新規就農者が早く効率的な農業生産を実現できる教育ツールを整備

目標に対する達成状況

  • 労働生産性の向上 : 年間成園管理時間削減の目標は達成できなかったが、ドローン、選果センサー利用で約6%削減(現行235時間/10a→221時間/10a)でき、また管理作業の労働安全・労働負荷の把握が行えるようになった。苗木幼木管理時間は削減に至らなかった。
  • 高品質果実に対する供給不足の解消 : 青果出荷比率や輸出果実出荷割合の向上の実証まで至らず、目標は達成できなかった。摘果(葉果比)判断および剪定技術の教育ツールを作成した。

導入技術の効果

薬散用ドローン

  • 条件不利地(急傾斜地)において、薬散用ドローンでは慣行と比較して、1回あたり平均散布時間が約40%削減(下図)。
  • ドローン散布できる登録農薬が限られており、登録農薬以外は慣行と同じ手散布で散布すると年間防除時間は約15%削減。

安全見守りシステム

  • 作業者のスマートフォン、スマートウォッチ内蔵センサーからの情報で、位置や歩行・転倒・転落・不動などの動態や労働負荷を記録し、危険動作時にはシステム利用者全員へ通知、また農園事務室のモニターへ作業者の異常を表示するシステムを構築。
  • 管理作業記録のインプット時間を手動の日誌記録と、安全見守りシステムで取得できるデータによる自動記録を比較すると、インプット時間を88%削減(下図)。

5面選果センサー

  • 慣行の全量手選別(方法4)と比較すると、選果センサー利用で25% (方法2)の選果時間削減となった。

技術伝承・教育ツール

  • 果実数、葉数のセンシングデータにより樹体の葉果比推定法、収穫量予測法を作成。
  • 摘果および剪定についての教育ツールを開発。

事業終了後の普及のための取組

  • 一定の成果が見られたドローンや選果センサー、安全見守りシステムを主体として、地元ユズ農家はじめ、地域の普及組織、自治体、JAと協力して、シェアリングも視野に入れた利用、普及を進めていく。
  • 葉果比などのセンシングシステムや教育ツールについても地域での活用を進めていく。
問い合わせ先

(一社)北川村振興公社

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