5GA01:(有)西谷内農場ほか【北海道・岩見沢市】

実証課題名
ローカル5G活用型スマート農業モデル実証
経営概要
経営面積 : 119ha(水稲35ha 、秋小麦27ha、大豆38ha、なたね5ha、他14ha)、
実証面積 : 85ha (水稲22 ha 、秋小麦24ha、大豆34ha、なたね5ha)

導入技

①ロボットトラクタ(耕起・整地)、②自動運転アシストコンバイン(収穫)、③土壌水分センサー(作物の生育把握)、④スケジュール最適化ツール

ローカル5G等を用いたスマート農業の実践による生産性向上
  • スマート農機の遠隔監視制御による作業改善効果:70%
  • スマート農機の共用(共同利用等)による生産コスト低減:15%
  • 本事業実施の全体目標値:農家利益改善効果:20%

目標に対する達成状況

  • 施行区、慣行区で有人作業時間を比較し、労働時間(現場人員の労働時間)削減効果を実測。自動運転トラクタについては目標70%に対し、69%削減とほぼ達成。
  • スマート農機の遠距離監視を外部事業者へ作業委託することにより、生産コストは実証地区で7.9%削減、一部の実証農家の秋小麦では15.9%削減と目標値を達成※ 。
  • 農家の純利益向上率は実証地区平均24.8%向上と目標値を達成。
※慣行は農家がスマート農機を個人導入した場合。作業委託費はローカル5G設備構築が自治体負担の前提。

導入技術の効果

対象作業労働時間削減

  • 耕起、残渣処理では遠隔監視の導入により現場人員の労働時間を慣行作業時と比較し、導入前より69%削減を達成。

遠隔監視の安全性向上

  • 映像伝送遅延※ 400msecの目標に対し、実証結果145msecと目標を達成。複数台監視実験により、複数台監視には画像処理等による危険検知支援が必須であることを確認。

全体作業日数の軽減

  • 秋まき小麦収穫、残渣処理、心土破砕の3台同時実証では、トラクタ2台、コンバイン1台の遠隔監視による自動運転作業と、作業順序最適化ツールの活用により、全体農家作業(作業機取付等の準備~作業終了後の車庫格納まで)の25%削減を達成。

生産コスト削減・純利益向上

  • ローカル5G費用を事業体が負担しない形にすることでコスト削減・利益向上となる。

事業終了後の普及のための取組

  • 本実証後も「いわみざわ地域ICT(GNSS等)農業利活用研究会」を中心に、岩見沢市、いわみざわ農業協同組合と連携したビジネスモデル実装検討を進めるとともに、浦臼地域における「ローカル5Gを活用した中山間地域における果樹農園のスマート農業実証」とも連携した複数地域にまたがった遠隔監視ビジネスの課題検証や、遠隔監視設備を活用した冬期間の委託作業等を、北海道大学との連携による遠隔操縦技術の確立を含め、スマートアグリシティの実現にむけた検討を行う。
  • 農機の自動走行の安全性にかかわる遠隔監視制御システムの機能向上や、実運用を想定した商用ローカル5Gをはじめとする通信環境の整備検討をおこない、社会実装に向けた取り組みを継続する。
問い合わせ先

東日本電信電話(株)北海道事業部 ビジネスイノベーション部

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