露2A02:鹿追町ICT研究会ほか【北海道・鹿追町】

実証課題名
加工キャベツを導入した大型畑作経営でのスマート農業技術(鳥獣害対策含め)の低コストを目指したマシーネンリング体系の実証
経営概要
143ha(キャベツ2.4ha、てん菜23.5ha、ジャガイモ27.9ha、その他89.3ha)
うち実証面積:キャベツ2.0ha、てん菜20.9ha

導入技

①可変施肥技術(キャベツ、てん菜)、②キャベツAI搭載自動収穫機、③てん菜大型収穫機、④トランスボーダーファーミング(※1)、⑤ドローン(鳥獣害対策)
(※1)トランスボーダーファーミングは、1区画圃場で複数の所有者が協力して1作物にして共同作業を行い、高能率の機械を導入して効率化させるのこと。

  • キャベツ自動収穫機を中心に機械化一貫体系を実証し、省力化により労働力を50%削減する。
  • トランスボーダーファーミングによるほ場集約を行い、マシーネンリング(※2)による機械運行と高能率機械の効率化を図り、経営全体のコストを10%削減し、所得を20%向上する。
    (※2)マシーネンリングとは、遊休機械を有効利用して機械を有効に活用。共同利用との違いは3者が遊休機械の利用計画を建てて運用すること。

目標に対する達成状況

  • キャベツ自動収穫機により、 従来6名の従事者が3名になり、収穫スピードも慣行並みだったことから、労働時間は50%削減できた。
  • 収穫適期予測により適期収穫が可能となり、収量が向上するとともに、収穫機の効率的な運用が可能となりマシーネンリングの効果を発揮。
  • 可変施肥により、キャベツでは収量5%増、施肥コストが4%削減、てん菜では収量8%増、施肥コスト25%削減が達成。令和3年度は前年度の可変施肥マップを活用し、収量は同等で施肥量を30%削減。
  • てん菜大型収穫機(テラドス)は、機械の改造により収穫ロスを減らし慣行1畦収穫機より高い収穫能力を発揮できるまでになった。
  • ドローンを活用した鳥獣害対策では、森の中のエゾシカを上空から発見し、駆除できることを実証した。
  • マシーネンリングにより個人利用と比較し30%ほど利用効率が向上。トランスボーダーファーミングにより集約されたほ場従来の圃場と比較して10a5,400円のコスト減。

導入技術の効果

キャベツ収穫省力化

  • キャベツ自動収穫機の導入等により、収穫作業従事者が50%削減

てん菜収穫省力化

  • てん菜大型収穫機(テラドス:4畦収穫機)による収穫効率向上

可変施肥による効果(令和3年)

  • 可変施肥により施肥量が減少

新体系の経営評価

  • 経営実証結果

    技術タイプA : 大区画圃場でキャベツ栽培で収穫機他可変施肥等のスマート農業技術とマシーネンリングのシステムを導入して機械の効率化と省力化をした技術区分。

    導入後の経費は導入前と比較し7%減

    技術タイプB : 大区画圃場でテンサイの大型収穫機テラドスを導入して、可変施肥等のスマート農業技術とマシーネンリングのシステムを導入して機械の効率化と省力化を目指した技術区分。

    導入後の経費は導入前と比較し3%減

  • 経営全体での効果について
    実証では、経費削減効果があったものの、干ばつの影響による収量減により所得は減少。
    干ばつによる減収の影響がなかった場合のシミュレーションを行った結果、経営全体で労働時間減と施肥コスト減の効果が最大限発揮されることにより、大幅な所得の向上が見込まれる。

事業終了後の普及のための取組

  • キャベツ自動収穫体系については、製品化・更なるカスタマイズを促すため、農機企業に情報提供等行う。
  • 可変施肥は、施肥設計する組織を明確化し、生産者へサービス提供できる体制作りを進める。
  • てん菜収穫機は、今後、マシーネンリング組織を立ち上げ推進していく。また、更なる改良のため農機企業に情報提供等行う。
  • トランスボーダーファーミングについては、JAの農業振興計画で取り上げ、JAを上げて生産者へ向けた推進を進めていく。
問い合わせ先

鹿追町農業協同組合 営農部今田伸二

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