露2G11:(株)サンライズファーム西条【愛媛・西条市】

実証課題名
スマートフードチェーンによる野菜生産強靭化の実証
経営概要
12.0ha(タマネギ1.5ha、レタス2.8ha、キャベツ7.2ha、サトイモ0.5ha)
うち実証面積:タマネギ1.5ha、レタス2.8ha、キャベツ7.2ha

導入技

①植物生体情報・環境情報センシングシステム、②自動運転トラクタ、③人工知能による最適化システム等

スマートフードチェーンの構築により、コストを2割以上削減し、売り上げを約1.5倍、それによる収益を1.5倍

目標に対する達成状況

  • 自動運転トラクターの導入により、約23%(26分/10a→20分/10a)の時間短縮が可能となった。また、施肥・畝立てマルチャーの導入により、作業時間は約53%削減(73分/10a→34.5分/10a)するなど労働時間が短縮できた。
  • 加工工程の変更により6日保証を達成し鮮度保持日数を延長できた(キャベツ1.2倍)。また、タマネギの大型乾燥施設において、コンテナ内の通気性が不十分で、また雨天日が多かったが、最適な乾燥温度制御の適用により、乾燥3ヶ月後の腐敗率は80%から20%に低減できた。
  • ドローン技術を用いた追肥診断により、12時間以内に各ほ場の追肥要否を判定する仕組み(追肥マップ)を確立し、慣行ほ場と比較してキャベツの単収が16%向上した。
  • 過去の収量や作業時間、価格等のデータをもとに生産計画を最適化するWebアプリを開発・実装した。当該生産計画に基づく栽培を開始した結果、慣行の生産計画と比較してシミュレーションベースで売上高6.8%の増加が見込まれている。

導入技術の効果

A.自動運転トラクタなど機械化

  • 自動運転トラクタ協調耕耘により作業時間は23%削減(26→20分/10a)
  • 畝立て、施肥、マルチ張り作業は自動機器の導入により作業時間は約53%削減(73→34.5分/10a)
  • 自動くい打ち機導入により作業時間は約26%削減(38→28分/畝)

B.鮮度延長と乾燥工程の最適化

  • キャベツについて、スライサー加工時の流水殺菌導入により、難易度が高かった大腸菌群の規格(3000個以下)も含め、全検査項目で規格値を満足、6日保証を達成した。しかし、タマネギについてはバラツキがあり、6日保証は困難な状況であった。ただ、原料による依存も大きいことが確認された。
  • タマネギの最適な乾燥温度制御により腐敗率低減の効果が示された。

C.各種センシングシステム

  • ドローンによるほ場のSPAD値(葉緑素量)の推定に基づく施肥マップを作成し、追肥を行った結果、キャベツにおいて16%単収が向上した。
  • 環境センサーや画像センサーのモニタリングにより土日の育苗施設の作業工数が昨年度に比べておよそ20%削減できた。

D.データに基づく生産計画作成

  • 人工知能を用いて生産計画(いつどこに何を植えるか)の最適化を行った。慣行の生産計画と比較して売上高6.8%増が見込まれている。作成した生産計画に基づいて実際に栽培を開始したところ、計画の途中ではあるが前年同時期比で売上高30%増となった。

事業終了後の普及のための取組

  • ドローンによる生育診断については、今後生産者に小型ドローンを導入してもらうことやドローンの資格取得を推奨するとともに、愛媛大学では企業と共同で実用化に向けた調整を行うなど、短時間で正確な生育状況の把握が可能となる体制を確立する。
  • 生産計画最適化で実装したWebアプリについては、今後データを蓄積することで、更なる精度の向上や高度化を図る。
  • タマネギ乾燥については、最適な乾燥温度制御法が効果的に適用できるように、大型乾燥施設の改善を目指す。
問い合わせ先

西条市農林水産部農水振興課 農業振興係

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