施2H04:南島原スマート農業研究会【長崎・南島原市】

実証課題名
スマート農業技術の活用によるアスパラガス生産体系の確立
経営概要
187.5a(アスパラガス72.5a 水稲15a、みかん50a、玉ねぎ25a、ブロッコリー25a)
うち実証面積:アスパラガス28.6a
※3経営体の合計面積

導入技

①環境モニタリングシステム、②定点観測カメラ(黄化判断・萌芽記録)、③プレ選別機、④アシストスーツ

74%の反収増と秀品収穫量73.5%増 / 選別時間の5.7%短縮と歩留まり5.3%改善

目標に対する達成状況

  • 環境管理・水管理の可視化によって管理精度が向上し、3件の経営体のうち2件において慣行区と比べ収穫量が増加(ベテラン生産者 47.3%増加・新規就農者 9.3%増加)した。
  • プレ選別機の導入により、新規就農者の選別技術が向上した結果、選別に要する時間が85.8%減少し、目標を達成することができた。
  • 秀品収穫量や歩留まりは、実証期間中の台風の影響を強く受けたことで、改善することができなかった。

導入技術の効果

温度管理の精度向上

  • 環境モニタリングにより環境を可視化することで、改善点を明らかにし、管理精度を向上させることができた。その結果、夏場の温度管理において、生育に悪影響を及ぼす35度を基準にした有効積算温度(°C・分)を最大99.6%小さくすることができた

水管理の精度向上

  • 環境モニタリングによって、水管理における問題を明らかにし、1日の灌水頻度を1回から2回に変更し、数値目標に基づく灌水を実施

収穫量の増加

  • スマート農業技術を導入した実証区画と慣行栽培を行なった区画を比較すると、スマート農業技術を導入した区画において最大47.3%反収が増加した

プレ選別機による省力化

  • アスパラガスの秀品と優品をAIによって判別するプレ選別機をDIYにて作成し、導入した結果、新規就農者の選別時間が85.8%短縮した

事業終了後の普及のための取組

  • 本実証にて得られた成果を「スマート農業機器を用いたアスパラガス栽培マニュアル」を作成し、公開・配布を行うことで、他産地にてスマート農業技術を導入したアスパラガス栽培を行う際に参照できるようにする。
  • プレ選別機については、新規就農者が選別作業を習得する際に有用であるため、自治体による貸し出しを検討する。
  • スマート農業技術で収集したデータに基づくアスパラガス栽培支援(コンサルティング)を商用サービスとして提供する。
問い合わせ先

南島原市農林課小関 克稔

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キーワード

アシストスーツ、統合環境制御、生育・収量等の予測システム、収穫機、選果機等、栽培管理システム、施設園芸、定点観測カメラ、NDVI、気象観測、プレ選果機、アスパラガス