品種詳細

ニシアオバ

水稲「ニシアオバ」は、地上部全重が重く、難脱粒性で、ホールクロップサイレージとしての発酵品質や嗜好性も良好である。玄米は極大粒で、主食用水稲品種との識別が容易である。

主要特性

  •   「ニシアオバ」(旧系統名:西海204号)は、多収・大粒品種の育成を目的として、極大粒・多収の「北陸130号」(後の「オオチカラ」)を母、極大粒のSLG9(後の「ひとはな」)を父とする交配組み合わせから九州沖縄農業研究センターで育成された品種である。
  •  出穂期、成熟期は「ヒノヒカリ」より5日程度遅く、熟期は“中生の晩”に属する粳種である。「ヒノヒカリ」に比べ、稈長は10cm程度長く、穂長もやや長く、穂数は少ない。草型は“穂重型”で、耐倒伏性は“中”である。
  •  いもち病真性抵抗性遺伝子“Pia、Pik-m”を持つと推定され、葉いもちおよび穂いもち圃場抵抗性はともに“中”である。白葉枯病圃場抵抗性は“やや弱”である。脱粒性は“難”で、穂発芽性は“易”である。
  •  全重は「ヒノヒカリ」よりも10%程度重く、「モーれつ」並に多収である。特にワラ重は「ヒノヒカリ」よりも20%近く重い。推定TDN(可消化養分総量)含量は「ヒノヒカリ」と同程度で「モーれつ」よりやや高く、推定TDN収量は「ヒノヒカリ」より約10%、「モーれつ」より3%程度高い。千粒重は「ヒノヒカリ」の約1.5倍で極大粒であり、主食用品種との識別が容易である。
  •  ホールクロップサイレージの発酵品質はロールベーラ、サイロ等いずれの調製法をとっても良好で、牛の嗜好性も良い。
出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
17308
(2004年8月11日)
2005年6月23日 14888
(2007年3月 2日)
25年
(満了日:2032年3月 2日)
交配組み合わせ 旧系統名