品種詳細

あゆのひかり

「あゆのひかり」は寒冷地南部では中生の中に属する粳種で、短稈、偏穂重型の糖質米品種である。重量当たりのGABA含量が一般品種の3倍前後で、水溶性多糖(植物グリコーゲン)を乾物重当たり30%蓄積することから、発芽玄米および発芽玄米を添加したおにぎり、顆粒状食品等機能性食品としての加工利用が期待される。

主要特性

「あゆのひかり」は、1989年中央農業総合研究センター・北陸研究センター(旧北陸農業試験場)において新形質米品種の育成を目的として、糖質変異系統の「EM5」と「奥羽331号」(後の「ふくひびき」)を交配した後代から育成された糖質米系統である。

  • 出穂期は「コシヒカリ」より3日程度遅く、育成地では"中生の中"、成熟期は出穂後30日を目途とするため "早生の晩"に属する粳種である。
  • 稈長は "短"、穂長は中"、穂数は "やや少"、草型は"偏穂重型"で、脱粒性は"難"である。
  • 玄米の厚さは約1.5mmで極薄く、千粒重は15g程度と極軽く、収量は、「コシヒカリ」、「キヌヒカリ」より少なく、これらの品種の約60%である。
  • 発芽時の重量あたりのGABAの含有量は、「コシヒカリ」の3倍前後であり、水溶性多糖(植物グリコーゲン)を、乾物重あたり約30%含有する。
  • いもち病真性抵抗性遺伝子はPiaとPibを併せ持つと推定され、葉いもち圃場抵抗性は"やや強"、穂いもち圃場抵抗性は不明である。穂発芽性は"極易"、障害型耐冷性は"弱"である。
  • 出穂後27日目から、籾の発芽率が上昇し、一方、籾重は、出穂後27日前後まで増加し、その後、一定となるので、出穂後25日を目途に収穫することで、穂発芽による品質低下を防ぐことができる。
出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
18659
(2005年8月11日)
2006年3月 7日 16607
(2008年3月17日)
25年
(満了日:2033年3月17日)
交配組み合わせ 旧系統名