品種詳細

紅衣

「紅衣 (奥羽赤370号) 」は、早生、短強稈の水稲赤米粳系統である。在来種の赤米に比べて倒伏に強く多収で、芒 (ぼう) が短く脱粒しにくい。玄米成分としてタンニン、カテキンを多く含み、着色米飯、醸造用への利用が期待される。

主要特性

  1. 「紅衣」は1991年に、短強稈の多収系統「奥羽331号 (ふくひびき) 」に極早生の赤米「A5 (赤室、あかむろ) 」をかけ合わせたF1に、さらに「奥羽331号」を戻し交配して、その後代より育成した系統である。
  2. 出穂期と成熟期は、育成地では「アキヒカリ」と同程度の“早生の早”に属する。
  3. 短強稈で倒伏に強く、在来種の長稈の赤米に比べると栽培しやすい。籾の先の芒が短く、脱粒性が“難”のため、一般品種と同様の機械栽培が可能である。
  4. 耐冷性は“中”、穂発芽性は“中”である。いもち病抵抗性遺伝子はPiaを持つと推定され、圃場抵抗性は、葉いもちが“やや弱”、穂いもちが“中”である。
  5. 収量は「あきたこまち」並かやや多く、在来種の赤米に比べると多収である。玄米は、千粒重25.1gのやや大粒で、赤褐色である。「あきたこまち」の玄米と比較して、食物繊維 (1.5倍)、ナトリウム (1.7倍)、タンニン (3.6倍)、カテキン (あきたこまちは検出せず)、アントシアニジン (あきたこまちは検出せず) の成分含量が高い。
  6. 炊飯米の食味は粘りが弱く「あきたこまち」より劣るが、5分搗精の米に粘りが強い低アミロース米品種(シルキーパール)を混ぜると、粘りが増すとともに食味が向上し、色合いも適当になる。
出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
14897
(2002年8月 1日)
2002年12月16日 13186
(2005年6月22日)
25年
(満了日:2030年6月22日)
交配組み合わせ 旧系統名
{奥羽331号 (ふくひびき) x A5 (赤室、あかむろ)} x 奥羽331号 奥羽赤370号

品種の利用許諾について