品種詳細

小麦中間母本農7号

低アミロース系統「関東107号」に化学物質EMSによる突然変異誘発処理を行い、「関東107号」よりさらにアミロース含量が低い低アミロース系統を選抜した。この系統は小麦中間母本農7号として登録された。

主要特性

アミロース含量とめん適性の関係を解明するため、「関東107号」に化学物質EMSによる突然変異誘発処理を行い、M2世代に草型等で選抜した110個体についてアミロース含量を測定して、原系統「関東107号」よりさらにアミロース含量が低くなった系統「谷系A6099」を選抜した。この系統は平成7年11月小麦中間母本農7号として登録された。

遺伝解析の結果、この系統の関東107号より更にアミロース含量が低い特性は、「関東107号」からの1遺伝子の変異により得られたことが明らかになった。

  • この系統のデンプあたりのアミロース含量は、「関東107号」が28.0%であるのに対し、24.2%と低く、ラピッドビスコアナライザーによる粘度特性は、最高粘度は「関東107号」と同程度に高く、ブレークダウンは「関東107号」よりさらに大きく、最終粘度はより小さい。
  • この系統の叢性、株の開閉はともに中であり、稈長はやや短い。穂型は紡錘状で、ふ色は黄、芒の多少は中である。原麦粒の外観品質は中であるが、千粒重はやや小さい。
  • 播性はI~IIで、出穂期、成熟期ともに中である。収量は「農林61号」よりやや多収である。穂発芽性はやや難であり、病害抵抗性は縞萎縮病、赤さび病に対しては強であるが、うどんこ病には弱い。
  • 製麺適性は、「農林61号」と比較して色は劣るが、めんの粘弾性となめらかさが優れる。
出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間

(1995年10月20日)
1999年3月12日 7169
(1999年4月15日)
20年
(満了日:2019年4月15日)
交配組み合わせ 旧系統名