品種詳細
こがねさやか
大豆の青臭みの原因となる酵素のリポキシゲナーゼをすべて欠失しています。その特性を利用して、風味を生かした豆腐や青臭みの無い豆乳が製造できます。子実は白目・中粒でタンパク質含量がやや高く、醤油や味噌の醸造にも適しています。成熟期が近畿中国地域の主力品種「サチユタカ」と同程度の中生品種ですが、青立ちの発生が少なく、より多い収量が期待できます。
主要特性
- 「こがねさやか」は、2001年にリポキシゲナーゼアイソザイム(L-1、L-2、L-3)欠失の「エルスター」を母、耐倒伏性で多収の「サチユタカ」を父とした人工交配から育成された系統であり、大豆の青臭みの原因となるリポキシゲナーゼアイソザイムの3種類(L-1、L-2、L-3)を全て欠失している。
- 近畿中国四国地域における成熟期は"中生"で、同熟期の「サチユタカ」より青立ちの発生が少ない。子実重は「サチユタカ」より多収で、「タマホマレ」と同等である。
- 百粒重は「サチユタカ」より軽く「タマホマレ」に比べやや重い。裂皮は「サチユタカ」、「タマホマレ」より少ない。粗タンパク含有率は「サチユタカ」よりやや低いが「タマホマレ」より高い。
- 豆腐は不快味、こく味、おいしさの評価が良好で、その他の項目も標準品種「フクユタカ」と同程度で、豆腐加工に適する。
- 醤油は、うまみ成分の素になる圧搾生汁の全窒素が「タマホマレ」よりやや高く、色度は同じランクで「淡口」規格を満たし、官能評価は「タマホマレ」と同等で、醤油醸造に適する。
栽培適地
近畿中国四国地域
生産上の留意点
- 成熟した莢(さや)が割れやすいので、コンバイン収穫が可能な茎水分に達したら、速やかに刈取る。
- 異品種の混入はリポキシゲナーゼ欠失大豆の特性を損なうので、十分に注意する。
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
---|---|---|---|
29141 (2014年4月18日) |
2014年9月18日 | 24955 (2016年3月22日) |
25年 (満了日:2041年3月22日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||
エルスター×サチユタカ | 四国10号 |