品種詳細
裸麦中間母本農2号
裸麦中間母本農2号(旧系統名:四R系1634)は、二条並性の高リジン裸麦系統で「イチバンボシ」に比べてリジン含有率が約1.5倍高く、第一制限アミノ酸がイソロイシンで、収量性はやや低いが、リジン収量は高い。胚が大きくしわ粒で、アミノ酸組成、ホルデイン電気泳動像等について、高リジン遺伝子1ys3a の特性を示す。
主要特性
本系統は、平成2年度(3年4月)四国農業試験場において、高リジン裸麦系統の育成を目的に、「四国裸84号」に極高リジン系統「四系8694」を交配(四交1275)し、派生系統育種法で育成された高リジン裸麦中間母本である。なお、「四系8694」は、「Ris1508」と「Hiproly」との交雑育成系統である。
特定形質
リジン含有率は、標準品種イチバンボシ(0.40%)に比べ、1.5倍高い0.60%で、これまでわが国で育成された高リジン品種サンシュウ(0.49%)よりも高い。アミノ酸組成は、高リジン遺伝子1ys3a を持つRis1508とほぼ同じで、第一制限アミノ酸がリジンではなくイソロイシンである。ホルデイン電気泳動像、粒の形状等についても、1ys3a 遺伝子の特性を示す。また、蛋白質含有率もやや高く、「イチバンボシ」に比べ収量性はやや低いものの、リジン収量は「イチバンボシ」比で126%と多い。
形態的特性
叢生はやや直立、並渦性は並性で、稈長はやや短、稈の太さは細、条性は二条で、穂型は矢羽根型、穂長はやや長、粒着の粗密は中、芒長はやや長、底刺毛茸は長である。千粒重は大、リットル重はやや小である。3.生態的特性:播性はII、出穂期はやや早、成熟期は早、皮裸性は裸性で、耐倒伏性は強、収量性はやや多、縞萎縮病抵抗性は弱、うどんこ病抵抗性は中である。
外観・精麦品質
胚がやや大きく、粒にしわが多く、原麦の見かけの品質は下の中である。粒質は硝子質で、精麦歩留は低で、精麦白度は極低である。
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
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10314 (1997年10月17日) |
1999年3月18日 | 9201 (2001年8月16日) |
20年 (満了日:2021年8月16日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||