品種詳細
さちのか
促成栽培用イチゴ品種‘さちのか’は、着色促進のための栽培管理を必要とせず、また果実硬度と秀品果率が高いため収穫後の作業性と流通適性に優れる。果実糖度とビタミンC含量が安定して高く、肉質が緻密で、食味は極めて良い。
主要特性
- 果実は‘とよのか’よりやや小さいが、着色・光沢に優れ、秀品果率が高く、果実硬度が‘とよのか’より20%程度高いため、収穫・選果・パック詰めの作業性に優れ、輸送性・日持ち性もよい。また、糖度及びビタミンC含量が安定して高く、食味は極めて良い。
- 草姿は中間~やや立性で、果梗長がやや長いため、着色促進のための「玉出し作業」や果梗伸長のためのジベレリン処理を必要とせず、省力的である。
- 花房の分化期は‘とよのか、女峰’より数日遅く、やや晩生であるが、連続 出蕾性に優れ、厳冬期の矮化もごく軽く、促成栽培に適する生態特性を有する。
- 普通促成栽培における収量性は‘とよのか’並であり、またポット育苗あるいは夏期低温処理による早出し促成栽培における年内収量は‘とよのか’の50~80%程度だが、総収量は同程度である。
- 特定病害に対する抵抗性は有しないが、うどんこ病の発生は‘とよのか’よりかなり少ない。
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
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(1996年2月29日) |
7650 (2000年2月 4日) |
20年 (満了日:2020年2月 4日) |
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交配組み合わせ | 旧系統名 | ||
栽培適地
宮城県以南の太平洋側を中心とした地域の促成栽培に適する。
育成経過
昭和62 年に、早生・大果で収量が高く、食味・香気に優れる‘とよのか’を種子親、極大果で着色に優れる‘アイベリー’を花粉親とした交配から実生 280個体を養成し、昭和63年より促成栽培で選抜を続けた結果、平成3年にほぼ目標にかなう系統が得られたため、‘久留米52号’の系統名を付し、平成 4~7年に特性検定・系統適応性検定試験に供試した。その結果促成栽培用品種として有望と評価され、平成8年8月にイチゴ農林20号‘さちのか’として命 名登録された。