品種詳細
にたきこま
近年、トマトを加熱調理に用いる場面が増えているが、国内栽培に適した加熱調理適性の高い品種はほとんどない。‘にたきこま’は、加熱調理適性が優れ栽培の容易なクッキングトマト用新品種である。
主要特性
- ‘にたきこま’の加熱調理適性について、多汁性の指標となる落下液量は生食用品種‘桃太郎’の約1/2であり、炒め物等の加熱調理時に問題になる水の浸出が非常に少ない。また、加熱濃縮したトマトソースの粘度が‘桃太郎’の3倍程度と高いため、パスタ料理では麺によくからむ。さらに‘桃太郎’や近年加熱調理に用いられている‘なつのこま’のトマトソースと比較して色調が優れ、酸度が高いため濃厚な味となる。
- ‘こたきこま’を各種調理に用いた場合の官能評価は、‘桃太郎、なつのこま’と同等以上で、特にトマトソースの評価が高い。
- 果実は60~70g程度の卵形で、消費者にとって生食用品種との識別が容易である。また、果実が堅く完熟で収穫しても輸送性・貯蔵性が高く、棚持ちが良い。
- 加熱調理用に栽培されている主要品種‘なつのこま’より4割程度多収である。
- 心止まり型でジョイントレス果柄を持つ無支柱栽培用品種で、さらに果実の貯蔵性も高いことから、省力栽培・省力収穫(1週に1回収穫)が可能である。
- 萎ちょう病(レース1・2)と半身萎ちょう病に対する抵抗性を有する。
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
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12603 (2000年6月29日) |
2000年12月22日 | 12205 (2004年8月18日) |
20年 (満了日:2024年8月18日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||
育成経過
1989(平成元)年より、トマトの高品質・省力適性素材の選定とF1組み合わせ能力検定を実施した。その結果、フランスからの導入品種間のF1が優秀な 成績を示し、‘盛岡交28号’の系統名を付した。1993(平成5)年以降、特性検定試験・系統適応性検定試験等を実施した結果、収量・果実形質・加熱調 理適性・病害抵抗性等に優れることが評価されたため、命名登録を行った。