品種詳細
つきあかり
白肉モモ「あかつき」の1週間あまり後に収穫される中生品種で、黄肉の主要品種「黄金桃」より2週間程度早く収穫されます。果実は250 g程度、果皮は黄色で陽光面がわずかに赤く色付きます。果肉も黄色で糖度が高く、酸味が少なく、食味が安定して良いことが特徴です。
黄肉モモはカロテンを多く含み、健康機能性に優れていますが缶詰用のイメージが強く、日本ではあまり作られていませんでした。最近になって、少しずつ栽培が増加してきましたが、さらに栽培を拡大するためには、優れた品質を持つ新品種の育成が求められていました。「つきあかり」の育成により早生から晩生まで黄肉モモの連続的な出荷が期待されます。
主要特性
- 樹勢は強く、樹姿は開張と直立の中間となります。枝の発生は多く、花芽の着生も良好です。花は単弁普通咲きで花粉を有し、結実は良好です。開花期は育成地で4月上旬となり、「あかつき」とほぼ同時期かやや遅くなります。果実の収穫期は、育成地で7月下旬から8月上旬となり、「あかつき」より1週間後になります。
- 果実重は250 g程度、果形は扁円形で、果皮の地色は黄色で赤い着色が少なく、裂果の発生も少ないため無袋栽培でも美しい黄色の外観の果実が得られます。
- 果肉は黄色で溶質、肉質は「やや密」です。果汁糖度は平均で14%程度に なり、「あかつき」より約1%程高くなります。酸味は少なく、黄肉モモ特有の香りがあり、食味は安定して優れています。
- 花芽が多く、結実が良好なので摘蕾、摘果を適切に行い、果実肥大を促進する必要があります。果面の微細な裂果が発生することがありますが、程度は軽く大きな問題とはなりません。果肉のみつ症の発生が認められるため、適期収穫に努める必要があります。
- せん孔細菌病、灰星病には罹病性ですが、通常の薬剤散布により被害を回避することが出来ます。
- 東北から九州までのモモ栽培地域で栽培が可能です
図1 「つきあかり」の果実
図2 「つきあかり」の結実状況
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
---|---|---|---|
22826 (2008年8月14日) |
2008年10月28日 | 19504 (2010年3月18日) |
30年 (満了日:2040年3月18日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||
まさひめ×あかつき | モモ筑波121号 |
栽培適地
育成担当者
山口正己、土師 岳、八重垣英明、末貞佑子、三宅正則、京谷英壽、西村幸一、鈴木勝征、木原武士、内田 誠、小園照雄、福田博之
発表論文
果樹研究所研究報告14号, p.1-9(2012-09) : モモ新品種'つきあかり'