品種詳細
白秋(はくしゅう)
果実は大玉で着色が少なく、食味も比較的良好な中生品種で、着色抑制栽培に適します。生理落果は少ない品種です。
主要特性
- 樹勢はやや強く、樹姿は開張性と直立性の中間となります。新梢の発生は中程度で、花芽は比較的多く着生します。花は単弁桃色で花粉を持ち自家結実します。
- 開花期は「あかつき」と同時期かやや遅い頃です。収穫期は「あかつき」より2~3週間程度遅い中生系統です。生理落果の発生は少ない方です。
- 果形は円形で果実重は「あかつき」よりかなり大きく、 300~400 g になります。果皮の地色は白色で着色は少なく、有袋栽培により着色のほとんどないきれいな果実が収穫できます。玉揃いは比較的良好です。また、果面の裂果、肌荒れは見られません。果肉は白色、溶質で粗密は中程度、繊維は比較的少ないです。果肉及び核周囲の紅色素は少なく、核は粘核です。果汁の糖度 はやや高いですが、「あかつき」に較べると1%前後低く、酸味は少ないです。渋味 の発生は認められず、食味は比較的良好です。有袋により容易に外観の優れた無着色タイプの果実生産ができることが本品種の大きな特徴です。
図1 「白秋」の樹姿
図2 「白秋」の花
図3 「白秋」の果実(有袋)
図4 「白秋」の結実状況(無袋)
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
---|---|---|---|
13719 (2001年8月10日) |
2002年1月24日 | 12212 (2004年8月18日) |
25年 (満了日:2029年8月18日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||
う-9(布目早生×白桃)×C2R19T182(う-9(ぬのめわせ×はくとう)×C2R19T182) | モモ筑波113号 |
栽培適地
岡山県など関西市場向けの着色抑制栽培に適しています。果面の着色が求められる産地には適しません。生理落果が少なく、渋味の発生も少ないので、夏季に降雨が少なく、果実糖度の上昇が良好な産地で特性を発揮します。
農林認定品種(旧:命名登録品種)
登録番号:もも農林24号
登録年月日:2001年10月9日
育成担当者
山口正己、京谷英寿、吉田雅夫、土師 岳、小園照雄、西村幸一、中村ゆり、八重垣英明、三宅正則、鈴木勝征、木原武士、福田博之
発表論文
果樹研究所研究報告5号, p.51-61(2006-03) : モモ新品種'白秋'