品種詳細

なつおとめ

「あかつき」に「よしひめ」を交雑して育成した中生品種です。果皮の着色は良好で無袋栽培に適し、果肉は白色で肉質はしまり糖度が高く良食味の品種です。

 

主要特性

  • 樹勢は中程度、樹姿は開張性と直立性の中間となります。新梢の発生は多く、多くの花芽を着生します。花は単弁桃色で花粉を有し自家結実性を示します。開花期は「あかつき」と同時期かやや早く、収穫期は「あかつき」より1週間程度おそい中生品種です。生理落果の発生は少ない品種です。
  • 果形は扁円形で果実重は 250~330 gとなり「あかつき」より大果となります。果皮の地色は白色、着色はぼかし状でやや多く、玉揃いも比較的良好で外観は優れています。果面の裂果、肌荒れは見られません。果肉は白色、溶質でしまり、肉質の粗密はやや密で繊維はやや多い品種です。核周囲の紅色素は多く、果肉内の紅色素も年により多くなることがあります。核は粘核です。果汁の糖度は高く、「あかつき」とほぼ同程度となり、酸味は少ない品種です。渋味の発生は認められません。果実外観が良好で食味が優れ、「あかつき」よりも果実肥大が良好なことが本品種の大きな特徴です(表1、図1)。

 


なつおとめの果実
図1 「なつおとめ」の果実


なつおとめの結実状況
図2 「なつおとめ」の結実状況


なつおとめの花
図3 「なつおとめ」の花


なつおとめの樹姿
図4 「なつおとめ」の樹姿

 

 なつおとめの果実特性

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
11815
(1999年5月10日)
2000年2月22日 10382
(2002年7月10日)
25年
(満了日:2027年7月10日)
交配組み合わせ 旧系統名
あかつき×よしひめ モモ筑波111号

栽培適地

東北地方から九州までのモモ栽培地域で栽培が可能です。

農林認定品種(旧:命名登録品種)

登録番号:もも農林23号

登録年月日:1999年8月13日

育成担当者

山口正己、京谷英寿、土師 岳、西村幸一、中村ゆり、吉田雅夫、小園照雄、三宅正則、八重垣英明、鈴木勝征、木原武士、福田博之

発表論文

果樹研究所研究報告5号, p.39-49(2006-03) : モモ新品種'なつおとめ'