なろりん、オギススキでかくれんぼ!の巻
お天気: くもり時々晴れ
こんにちは なろりんです♪
気の向くままに全国にある農研機構の研究所を巡って紹介しています。
86回目のなろりんリポート、略して「なろリポ」です。
今回も前回に引き続き、岩手県盛岡市にある「東北農業研究センター 盛岡研究拠点」をリポートするよ。
今回訪ねたお部屋は、「緩傾斜畑作研究領域生産力増強グループ」。
ここでは、オギススキの研究をしているよ。
オギススキは、オギとススキの雑種(日本の在来種)で、欧米では「ジャイアントミスカンサス」といわれていて、バイオマスの燃料用として利用されているんだって。
最初は1935年にデンマークの植物コレクターによって鑑賞用植物として日本から持ち出されたのだけど、のちにヨーロッパでバイオマス植物として評価されたのだそう。
オギススキってはじめて聞いたよ。どんな植物なんだろう?!
向こうに春に刈り取ったオギススキがあるというので案内してもらったよ。
空に向かってぐ~んと伸びてる。
高さ約4メートルもあるのだそう!
これは3月に収穫されたもの。東北の寒さや雪にも耐えて、スクスクぐんぐん育つんだって。
ちなみにオギススキの収穫期は、秋(11月)と春(3月)だよ。
春収穫のオギススキの乾物率(カラカラに乾く率)は80%以上で、刈り取る時にはすでにカラカラに乾燥しているから、収穫後に乾燥させる手間が省けるよ。
機械で短くカットしながら刈り取って、そのままバイオマス燃料として燃やすことが可能なんだって。
秋収穫のオギススキの乾物率は50%程度で、その場合には、メタン発酵やガス化発電など、別の用途に使えるんだって。
それから管理するのもラクで、年に1回の肥料やりと収穫だけ。収穫はコーンハーベスタ(トウモロコシを収穫する機械)で地面から5cmくらいの高さで刈り取るよ。あとは放っておけば、また新しく生えてくるんだって。
オギススキはタネが出来ないので、放っておいても雑草化しないし、秋に地下の茎に栄養をため込むから、追加で肥料をやる必要がないんだって。
次は、オギススキが育っているところへ連れて行ってもらったよ。
実はここは、建物の跡地で石がゴロゴロしているところだったんだけど、試しに植えてみたんだって。どんな場所でも育つのはすごいね。雑草よりも強いので、この場所では除草管理を全くしていないんだって!
雑草管理が楽な反面、オギススキはタネで増えるわけではないので、草地面積を増やすには苗を移植しないといけないのだそう。
そのため、現在、これに対応する新品種を作っているんだって。
新品種は横への広がりに優れているそうだよ。
このほ場は移植して3年目。1メートルずつ間隔をあけて植えてあるから、その違いがよく分かるよ。
こっちは従来品種。
1m×1mで移植すると4年目にやっとすき間がつながるんだって。
たしかに、真ん中のエリアにはオギススキが生えてないね。(写真の赤で囲んである部分だよ)
こちらは新品種。
新品種は、植えて2年目には空いていたすき間がつながるのだそう。
新品種は横への広がりに優れているから、必要な苗数は従来品種の1/4!かなり少なくなるね。
オギススキは国内で生産できるから、安定的に供給ができるメリットがあるのだそう。
現在、国内でもペレット利用されているところもあるけど、まだまだ知名度が低く、利活用する場が少ない状況なんだって。
省力的で多収なオギススキ。多くの人に知ってもらって、今後さらに活用が広がることを期待しています!
考えるだけでワクワクしちゃうな!
案内してくれた研究者さんと新品種のオギススキの前で。
次はどこの研究所へいこうかな。
「東北農業研究センター」の詳細は、ホームページを見てね。