多様性を力に、
価値創出をめざして
農業・食品分野を取り巻く環境は、食料安全保障への関心の高まり、地球規模での環境問題、人口動態や社会構造の変化などにより、これまでにない速さと複雑さで変化しています。加えて、地政学的リスクや資源制約の顕在化など、「危機」と「成長機会」が同時に存在する局面に私たちは直面しています。こうした時代において、農研機構が果たすべき役割は、研究開発にとどまらず、「食料・農業・自然資本」を安全保障・産業創出・外交の中核として社会へつなぎ、未来へと価値を創出していくことにあります。
第6期組織目標では、
- 食料安全保障と食料自給力の向上
- 農産物・食品・開発技術の輸出拡大と新産業の創出
- 事業性確保と環境保全の両立
を三つの柱として掲げました。これらの実現に向けては、何よりも、人材力の強化が欠かせません。多様な人材の育成と確保は最重点課題です。すべての基盤は、人材です。私は、挑戦する人を全力で支援します。そして同時に、成果に対する組織としての責任も明確にします。挑戦と責任、この両方を担う組織でなければ、成長はありません。
研究職だけでなく、事務職、技術職を含め、全員が価値創出の主体です。そもそもイノベーションを牽引する人材、英語ではこれをInnovation Championsと言いますが、これは組織内で新しいアイデア、技術、システムなどを積極的に提案、推進し、より良い方向に変化をもたらす原動力となる人のことをいいます。つまり、組織内のポジションなどには関係なく、これまでの壁を越えて一歩進めようという意欲を持った人こそが重要であり、農研機構の未来を築くスタッフのあるべき姿だと認識しています。私はこの人材力こそが全ての原点であると確信しており、これからさらに多様な人材が、独創性と共に個性溢れる能力を、最大限発揮できる環境を整備します。
農研機構は「食」を未来につなぐ責任と覚悟を持ちます。
農研機構が変われば、日本の農業・食品産業は変わります。
それは、食料安全保障の確保と、新たな成長産業の創出につながります。
その変革を、役職員全員が一丸となって実現したいと思います。
国立研究開発法人
農業・食品産業技術総合研究機構
理事長千葉 一裕