第39回土・水研究会
コメ中無機ヒ素低減対策技術の進展
開催趣旨
近年、Codex委員会によりコメ中無機ヒ素濃度の基準値が策定されました。わが国では、国内基準値の策定は行われていませんが、海外諸国では国際基準値よりも厳しい基準値を設ける国もあり、国際的にはコメ中無機ヒ素への関心が高まっています。
このような状況下、農林水産省は、令和4年2月、平成29年~令和元年産の国産玄米計1500点と平成29年~平成30年産の精米計1000点の無機ヒ素濃度を公表しました。この結果、国際基準値を超過したのは玄米、精米いずれもわずか約0.5%に留まっていました。しかし、コメ中無機ヒ素濃度は、年によって変動する傾向がみられ、平成24年産米の調査では、玄米で5%を超えていました。また、出穂期後に比較的高温となる年には玄米無機ヒ素濃度が高まる傾向も確認されており、将来の気候変動によるコメ中無機ヒ素濃度への影響も不安視されています。
そこで、農研機構を中心とする研究コンソーシアムでは、農林水産省の研究プロジェクトの委託を受け、農業者が過度な負担を伴わずに、コメ中無機ヒ素を低減できる栽培管理技術の開発を進め、成果をマニュアルとして発信してきました。本研究会では、プロジェクトで開発した技術を広く紹介することで、我が国におけるコメ中無機ヒ素低減に向けた取組みを推進します。
開催日時
2023年3月16日(木曜日) 13時15分~17時00分 (予定)
開催方法
オンライン
主催
農研機構 農業環境研究部門
参加対象
国立研究開発法人、公設試験研究機関、大学、行政部局、民間団体など
プログラム
1. 開会挨拶 | 山本勝利(農環研) | |||
2. コメ中ヒ素を巡る最近の情勢 | 三浦友聡 (農林水産省消費・安全局) |
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3. 基調講演「水稲のヒ素吸収・集積メカニズムと育種への応用」 | 石川 覚(農環研) | |||
4. 研究プロジェクト成果の紹介 | ||||
(1)コメ中ヒ素抑制の概論 | ||||
1)水管理 | ||||
水管理によるヒ素抑制の基本的な考え方 | 加藤英孝(農環研) | |||
間断灌漑によるヒ素低減効果の実証と省力化の試み | 中村 乾(農環研) | |||
2)資材利用 | ||||
資材施用によるヒ素低減への取組み | 山口紀子(農環研) | |||
休憩 | ||||
(2)事例紹介 | ||||
1)地域の実情に応じた水管理 | ||||
北陸地方における落水1回管理 | 鈴木克拓(中農研) | |||
近畿地方における3湛4落と飽水管理の組合せ | 藤井琢馬(三重県農研) | |||
2)今後に向けた取組み | ||||
温室効果ガスの発生抑制とヒ素低減の両立 | 松本真悟(島根大学) | |||
5. 総合質疑 |
参加費
無料
参加方法
開催は終了いたしました。ご参加ありがとうございました。
開催事務局・問い合わせ先
農研機構 農業環境研究部門 化学物質リスク研究領域 板橋直
E-mail: tsuchimizu@ml.affrc.go.jp 電話: 029-838-8311