北海道農業研究センター

寒地酪農研究領域

北海道は全国の生乳の56%を生産し、日本の生乳生産地帯として重要な役割を果たしていますが、労働力不足が著しくなっています。また、1戸当たり飼養頭数(約140頭)は増加傾向が続き、家畜排泄物の有効活用と資源としての循環利用も課題となっています。そこで寒地酪農研究領域では、耕畜連携による自給飼料生産利用を一層促進し、省力化と環境調和を両立しつつ収益性の向上が可能な酪農技術の開発を進めています。これまでに開発した技術として、自給濃厚飼料のイアコーンサイレージ生産利用技術、イアコーン収穫残渣利用による堆肥調製技術をはじめ、飼料作物のスマート育種技術、ドローンによる草地雑草判別技術、飼料生産履歴管理技術、個体別乳量予測技術、個体識別・行動測定プログラムなどがあります。現在、これらをもとに、高収益で環境に調和した酪農の実現に向け、有用な形質を持つ牧草・飼料作物品種の育成、飼料作物の画像データやロボット農機を活用した省力的飼料生産技術、乳牛の飼養管理データを活用したスマート飼養管理システムの開発、自給飼料を利用した特徴ある生乳・乳製品生産のための研究などに取り組んでいます。

耐病性と収量が向上したオーチャードグラス育成品種草地での放牧の様子
(1番草採草後の放牧兼用利用)

領域長

矢用 健一 (やよう けんいち)

所属研究グループ