パリのシトロエン工場製.1928(昭和3)年ころ農林省農産課が,国産石油発動機改良上の参考品として,1台だけ購入.恐らくわが国でただ1台の発動機であろう.
本機は特殊のリンク機構によって,下記仕様のごとく,特殊の差動行程を行なうきわめて珍しい発助機.
仕様は次のとおり.
作動方式 | 特殊4サイクル式 | |
シリンダ内径 | 75mm | |
ピストン行程 | 吸込行程 | 51.5mm |
圧縮行程 | 42.9mm | |
爆発行程 | 112.7mm | |
排気行程 | 121.3mm | |
圧縮比 | 5.25 | |
点火法 | 高圧宙気着火方式 | |
シリンダ冷却法 | ファンによる強制空気冷却式 | |
毎分回転数 | 1,300 | |
正味馬力 | 4.0 | |
燃料消費率(毎時毎馬力) | 173g |
なお,熱効率を試算すると約35%となり,当時のガソリン発動機としては記録破りのもの.