農業機械研究部門

資料館

054 動力耕耘機(ユーチリタ)

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アメリカ,インデアナ州ミドウエストエンジン会社製.1921(大正10)年に農林省農産課が購入(購入価格1,700円)し,各地で実演した.

当時農林省では,世界各国から2~6馬力の小型耕耘機(ティラを含む)を集め,東京府農事試験場技師浅井実が主任となって比較試験を行なった.これらの 耕耘機はいずれも,当時としては高価(1,000~2,000円)であり,しかも水田用ではなく畑地用であったため,水田では,土質の関係上操作が容易で なく,かつ,使用にも不なれのため故障が多かった.しかし,本機は滋賀,静岡,三重,新潟,石川,北海道などに入ったが,上記の理由によってあまり普及し なかった.だが,日本の今日の耕耘機やティラ用開発の先駆をなしたもの.