農業機械研究部門

緊プロ開発機のご紹介

長ねぎ調製装置

(2000年発表)

静かで楽な根切り皮むき作業   

  • 騒音の少ない防音型調製装置
  • 熟練のいらない1人作業

写真
長ねぎ調製装置による作業の概要

1.利用のメリット

低騒音かつ熟練不要で、1人作業・1工程で長ねぎの適正な根切り、皮むき、葉切り作業が可能。

根部切断部
適正な位置で根部を切断する。

  •     自動型:根部切断面積をセンサで検知
  •     半自動型:切断位置決めロールに供給

自動皮むき部
空圧ノズルを内蔵したダクトが往復して皮をむく。
    むき始め位置(空気噴出位置)の設定は
    自動型:光電センサで葉の分岐位置を検出
    半自動型:作業者が切断位置決めロールへの供給時に、マーカ(磁石)で設定
葉切りカッタ
葉を切ってねぎを所定の長さにそろえる。

2.開発機の概要

  • 長ねぎをコンベヤ上に供給するのみで作業ができる自動型と、根部切断位置と皮むき始め位置を作業者が設定する半自動型がある。
  • 作業時の耳元騒音は、従来機の騒音レベル(約100dB)より15dB以上低減。
  • 作業者1名で根部切断と皮むき作業を1工程で行うことができ、熟練を要することなく高精度な調製作業が可能。
  • 作業能率は、作業者1名で400~600本/時可能。
  • (試験場所:千葉県農業試験場、群馬県園芸試験場ほか)

3.活用上の留意点

曲がりねぎの根部切断については、手作業で対応する必要がある。

4.委託研究実施会社

株式会社マツモト、株式会社ちくし号農機製作所

 

自動型自動型

半自動型(防音カバーを除いた状態)半自動型
(防音カバーを除いた状態)

5.主要諸元・構造

1.構 造:
    長ねぎの根部切断と皮むき及び葉切りを、1名の作業者が供給するのみで行える調製装置である。間欠作動する搬送コンベヤ、根部を適正な位置で切断する根部切断部、空圧ノズルを内蔵した移動式ダクトによる自動皮むき部及び所定の長さにそろえる葉切りカッタからなる。ダクトと防音カバーによって皮むき時の騒音が大幅に低減される。適正な根部切断位置と皮のむき始め位置(空気噴出位置)を設定する方法の違いにより、自動型(センサ利用)と半自動型(作業者がマーカ設定)がある。


2.主要諸元

機 種 自動型 半自動型
大きさ 全 長 315cm 180cm
全 幅 188(作業時388)cm 145(作業時205)cm
全 高 170cm 100cm
質 量 515kg 197kg
根部切断位置の
設定方法
切断時、切断面積をセンサで検知しながら、適正な切断深さを設定 作業者が切断位置決めロールの所定位置に供給することで設定
皮むき始め位置
の設定方法
搬送中、複数の光電センサにより、葉の分岐位置を検出して設定 作業者が切断位置決めロ-ルへの供給時に、マーカ(磁石)で設定
皮むき時の噴射
圧力設定方法
長ねぎの太さに応じた圧力を自動的に設定 常時一定圧力に設定
所要電力 11.5kW(11kWのコンプレッサを含む)

 

6.作業性能

  • 作業時の耳元騒音は、従来機の騒音レベル(100dB)より15dB以上低減された。
  • 根部切断は10~15%程度の切り過ぎ、皮むきは2~10%程度のむき過ぎがみられたが、いずれも出荷に差し支えない軽微なものがほとんどであった。
  • 作業能率は、作業者1名で400~600本/時であった。
  • (試験場所:千葉県農業試験場、群馬県園芸試験場ほか)