農業機械研究部門

1.利用のメリット

接ぎ木装置と養生機能付き一時貯留装置の組み合わせで、労力を大幅に削減。

2.開発機の概要

• 1株接ぎ装置:1株ずつ台木と穂木を斜め切断し、クリップ接合(片葉切断接ぎ)後、セルトレイに挿し木。作業能率は660株/時。
  複数株同時接ぎ装置:6株ずつ台木と穂木を斜め切断し、クリップ接合(斜め合わせ接ぎ、居接ぎ)。作業能率は900株/時。
• 養生機能付き一時貯留装置にセルトレイ20枚を貯留し、養生施設へ一括運搬。

• (試験場所:岩手県農業研究センター、神奈川県農業総合研究所三浦試験場ほか)

3.活用上の留意点

• きゅうりやすいか等のうり科野菜を対象。
• 穂木、台木ともに72穴のセルトレイによる育苗が必要。
• 1株接ぎの場合、穂木の胚軸長5～7cm、胚軸径1.3～2.5mm、台木の胚軸長6～8cm、胚軸径1.3～2.5mmとし、複数株同時接ぎの場合、穂木の胚軸長4.5～6.5cm、胚軸径1.5～3.0mm、台木の胚軸長5.5cm以上、胚軸径2.0～3.0mmとすることが必要。
• 穂木、台木ともに堅めに仕立てた、胚軸に曲がりがなく、子葉の向きが揃っている苗が必要。

4.委託研究実施会社

井関農機株式会社、株式会社クボタ、三菱農機株式会社、ヤンマー農機株式会社

複数株同時接ぎ装置

養生機能付き一時貯留装置

接ぎ木作業システム

5.主要諸元・構造

1.接ぎ木ロボット本体
1)1株接ぎ方式接ぎ木装置
(1)機体の大きさ	全 長	1,792mm
	全 幅	1,747mm
	全 高	2,050mm
	質 量	600kg
(2)接ぎ木方法	片葉切断接ぎ(断根)
(3)接合部	分割クリップによる接合
(4)仮植部	仮植ハンドによる植え付け
(5)所要動力	200V-2.2kW 100V-1.5kW
2)複数株同時接ぎ方式接ぎ木装置
(1)機体の大きさ	全 長	2,500mm
	全 幅	1,700mm
	全 高	1,900mm
	質 量	850kg
(2)接ぎ木方法	斜め合わせ接ぎ(居接ぎ)
(3)接合部	クリップによる接合(6株同時)
(4)所要動力	200V-1.5kW 100V-0.5kW
2.養生機能付き一時貯留装置
(1)機体の大きさ	全 長	3,130mm
	全 幅	2,280mm
	全 高	2,400mm
	質 量	500kg
(2)一時貯留部	環境調節	超音波加湿器及び蒸気加湿器による
	運搬台車	20トレイ収容可能
(3)所要動力	200V-2.5kW 100V-0.9kW