農業機械研究部門

緊プロ開発機のご紹介

大粒種子整列は種装置

(2002年発表)

正確、高能率な播種で整列苗を育成

  • 欠粒なし、子葉の向きの揃った良質の苗づくり
  • 大粒種子の高精度な1粒播種
  • 能率は慣行手作業の3倍以上

写真
外観

1.利用のメリット

カボチャ、ユウガオ、トウガン等の大粒種子の整列播種を高精度、高能率に行える。

構造構造

2.開発機の概要

  • 種子の軸方向と胚の位置を一定に揃えてセルトレイに整列播種する装置。
  • 種子の有無を確認するセンサにより、欠粒のない1粒播種が可能。
  • 標準型のほかに、画像データから種子胚の位置を識別して播種することにより胚位置の揃いをさらに向上させた高精度型がある。
  • 播種速度は、72穴セルトレイを用いた場合、毎時5,000粒以上であり、手作業に比べ3倍以上の能率で整列播種が可能。

3.活用上の留意点

播種時のかん水量と管理温度に留意し、斉一な発芽となるよう心掛けるとともに、発芽後は、徒長に注意して育苗する。


4.共同研究実施会社

ヤンマー農機株式会社

高精度型で整列播種されたカボチャ

整列播種後の育苗例整列播種後の育苗例

5.主要諸元・構造

構 造 構成は育苗トレイ搬送部、播種部、制御部の3つに大別される。このうち、播種部はホッパから種子を取り出す吸着ノズル、種子の吸着の有無を確認する欠粒センサ、種子の向きを一定に揃 えて播種する整列播種部から構成される。
機体の大きさ 全長:1,650mm、全幅:710mm、全高:1,360mm、質量: 95kg
所要電力 標 準 型 播種機本体:AC100V-500W、コンプレッサ:2.2kW
適応セルトレイ 標 準 型 72、128、200穴セルトレイ

6.作業性能

  • ウリ科大粒種子(カボチャ、ユウガオ、トウガン)の整列播種精度(種子の長軸方向が設定角度±30゚以内で1粒播種された種子の割合)は95%以上であった。
  • セルトレイに播種した場合、セル内での種子胚位置の標準偏差は、種子長軸方向8mm、種子短軸方向2mmであり、胚位置の揃った播種が行われた。
  • 播種能率は、72穴セルトレイを用いた場合、毎時5,500粒以上あり、手作業に比べ3.4倍の能率で整列播種が可能であった。
  • (試験場所:埼玉県農林総合研究センター、生研センター)