農業機械研究部門

1.利用のメリット

作業者1名で、高精度、高速かつ楽な姿勢で移植でき、能率的。規格化された苗トレイの利用により、育苗の労力軽減や分業化が可能。平地から傾斜地、小区画から大区画の畑まで、全国の葉菜類の畑に適応可能。

2.開発機の概要

• 苗供給機構、苗取り出し機構、植付け機構、4輪駆動方式の専用走行台車等で構成し、2条用の植付け部を走行台車の後部に搭載する方式。
• セル成型苗またはパルプモールドセルポット苗を用い、株間:25～50cm、条間:40～60cm、畦高さ:0～25cmの植付けが可能。
• 苗トレイは、標準規格トレイで、トレイのセル(ポット)数は128セル及び200セル。
• セル成型苗用(A型、B型):挟持式の苗取爪でトレイから1株ずつ抜取り、開孔器で植付ける方式で、苗は独立セルのため生育コントロールが容易、移植後の初期活着が良好。
  パルプモールドセルポット苗用:パルプモールド(紙ポット)で包まれた根鉢を挟持し、1株ずつ切離し連続的に植付ける方式、大苗までの植付けが可能。
• 植付け速度は1条当たり60株/分以上、200セルのトレイを12～14枚積載すると、作業者が降車することなく、2400株以上の連続植付が可能。
• 作業能率(ほ場作業量)は、作業者1名で約10a/時。人力作業に比べて10倍以上、歩行型全自動移植機に比べて2～3倍。

• (試験場所:岩手県農業研究センター、愛知県農業総合試験場)

3.活用上の留意点

• キャベツ、はくさい、レタス等の結球葉菜類野菜を対象。
• セルトレイやパルプモールドセルポットを利用。
• 欠株の少ないトレイ苗の供給が必要。

4.共同研究実施会社

井関農機株式会社、株式会社クボタ、ヤンマー農機株式会社

セル成型苗用B型

パルプモールドセルポット苗用

5.主要諸元・構造