農業機械研究部門

緊プロ開発機のご紹介

高速代かき均平機

(2000年発表)

高速代かき機
早くて快適、低燃費な高速代かき

  • 2割能率アップ
  • 15%省エネ
  • 田植、湛水直播の適期作業実現

写真
高速代かき機(一体式)

1.利用のメリット

能率が向上し、負担面積の拡大、田植や直播の適期作業が可能に。

高速代かき機(折畳み式)

2.開発機の概要

  • リヤカバー前方へのレーキ新設、ロータリ爪の配列の改善、リヤカバー内側のスペース拡大、トラクタ三点リンク制御の応答性向上などにより、高速作業が可能になった代かき機。
  • 従来機と同程度の作業精度を維持しつつ、2~3割高速で作業可能。代かき前の砕土状態が良好な水田では、同じ作業速度で3回作業を2回にすることも可能。
  • 作業速度0.65~0.8m/s、3回作業時の作業能率(ほ場作業量)は、作業幅2.4mで16a/時、作業幅3mで20a/時であり、従来機より約2割アップ。
    (試験場所:千葉県佐倉市、生研機構附属農場ほか)

高速代かき機(一体式)の作業高速代かき機(一体式)の作業

高速代かき機(折畳み式)の作業高速代かき機(折畳み式)の作業

3.活用上の留意点

1日以上前に入水し、適切な水深で作業開始。

4.共同研究実施会社

小橋工業株式会社株式会社ササキコーポレーション井関農機株式会社株式会社クボタヤンマー農機株式会社

作業速度と埋没性能・砕土性能
(作業回数:開発機、従来機とも3回又は2回)

作業回数と埋没性能

5.主要諸元

    • 構造

リヤカバー前方へのレーキ新設、ロータリ爪の配列の改善、リヤカバー内側のスペース拡大、トラクタ三点リンク制御の応答性向上などにより、高速作業が可能になった代かき機。構成が異なる一体式と折畳み式がある。

    • 主要諸元
種 類 一体式 折畳み式
全長×全幅(作業時)×全高(mm) 1,328×2,620×1,022 1,090×3,200×1,000
機 体 質 量(kg) 273 395
作 業 幅(m) 2.4 3.0
ロータリ爪本数(本) 64 80
ロータリ爪回転外径(mm) 370 370
レーキ平均ピッチ(mm) 42 50

6.作業性能

  • 同じ作業速度の従来機に比べ、作業後の露出稲株数が20~25%、表層土壌中の土塊径2cm以上の重量割合が10%程度それぞれ少なかった。また、所用動力は同程度であった。
  • 作業速度0.8m/s以上の高速域において、代かき機の左右傾斜角の変動が15~20%、耕深の変動が10%程度、従来機に比べ少なかった。
  • 以上により、従来機と同程度の作業精度を維持しつつ、従来機より2~3割高速で代かき作業を行うことができた。その結果、作業能率(ほ場作業量)が20%程度向上し、作業面積当たりの燃料消費量が15%程度削減できた。
    (試験場所:千葉県佐倉市、生研機構附属農場ほか)