1.利用のメリット
これまで不可能であった株間、条間の除草を同時高能率に行える。
2.開発機の概要
- 作業能率は、3条用歩行型に比べ、8条用の回転・揺動式が約5倍、8条用の揺動式は約3倍。
- 開発した除草機は、回転・揺動式除草機と揺動式除草機の2方式。 回転・揺動式除草機は、条間を回転ロータで、株間を揺動レーキで除草する方式。 揺動式除草機は、条間、株間ともに揺動レーキで除草する方式。
- 条間及び株間の機械的除草を同時に行うことのできる乗用型の高精度水田用除草機。
回転・揺動式除草機
揺動式除草機
揺動式除草機
3.活用上の留意点
- 除草作業は、3回程度実施するが、第1回目は稲活着後できるだけ早い時期に行い、2回目以降は、雑草の発生状態を見ながら早めに実施。
- 田植え作業時に隣接条間が極端に狭くならないように留意。
- 耕種的除草など他の除草方法と組み合わせて使用するとより効果的。
4.共同研究実施会社
井関農機株式会社、株式会社クボタ
5.主要諸元・構造
方 式 |
回転・揺動式 |
揺動式 |
作業条数 |
8条 |
6条 |
8条 |
6条 |
機体の大きさ※ (格納時) | 全長(cm) |
309 |
310 |
全幅(cm) |
250 |
200 |
253 |
193 |
全高(cm) |
152 |
167 |
質量(kg) |
547 |
527 |
772 |
761 |
除 草 装 置 | 条 間 | 方 式 |
ロータ回転式 |
レーキ揺動式 |
株 間 | 方 式 |
レーキ揺動式 |
作 用 深 調 節 |
センサーフロートによる油圧昇降調節方式 |
※回転・揺動式は、乗用田植機走行部に装着した場合の値。揺動式は、乗用管理機に装着した場合の値。
6.作業性能
- 回転・揺動式(条間を回転ロータ、株間を揺動レーキで除草)と揺動式(条間、株間とも揺動レーキで除草)の2方式とも、条間と株間の同時機械除草を円滑に行うことができた。
- 7~10日間隔で3回の除草作業を行い、除草効果を調査した結果、全作業を通した除草率は2方式とも50~60%と歩行型除草機の除草率を大きく上回り、実用的に十分な効果であった。
- 作業時の稲株の損傷、引き抜き及び埋没等の発生はわずかであり、稲の生育に与える影響は見られなかった。また、若干発生した傾斜株もその後の生育によりすべて回復した。
- 作業能率は、8条用の回転・揺動式が約33a/h(作業速度0.49m/s)、8条用の揺動式が約20a/h(作業速度0.27m/s)であり、3条用歩行型除草機の3ないし5倍であった。
(試験場所:新潟県農業総合研究所、滋賀県農業総合センター、生研機構附属農場ほか)